ISO感度の設定の目安と露出の関係。

通常の晴れた屋外などの一般的な撮影では、絞りとシャッタースピードの数値の変更でほとんどの露出の設定は行えます。

しかし薄暗くなってきた屋外や、夜景、暗い室内など、絞りとシャッタースピードの設定だけでは思い通りの露出が得られない場合があります。

このような場合に、ISO感度の数値を設定し直す事によって、露出の幅を広げることが出来ます。

ISO感度設定の目安と露出の関係についてご紹介します。

目次

ISO感度とは

ISOとは、International Organization for Standardization の略で、国際標準化機構のことになります。

ISO(国際標準化機構)は、さまざまな工業分野において国際規格を策定している団体です。

デジタルカメラの感度とは、光を受ける撮像素子の光に対する敏感さを数値で表したもので、数値が小さいほど反応も弱く、感度の数値が大きくなるほど敏感に光に反応します。

したがって、ISO感度とは、ISOで定められた国際規格の感度のことを言います。


このように国際規格で定められた規格で製品を作ることによって、どの国のどのメーカーの製品でも同じように使用することが可能となります。

ISO14000 とか ISO9000 という言葉を聞いたり見たことがあるかと思いますが、「当社の工場はISO9000認定工場です」とか「ISO14000認証工場」などと表記されたりもします。

ISO14000 は、環境マネジメントシステムに関する国際規格のことで、ISO9000 は、品質マネジメントシステムに関する国際規格になります。

このようにISOの国際規格は、ISOに数字を付けて何の国際規格であるか分かるようにしています。


カメラのカラーフィルムの感度に関する国際規格は、ISO5800 で定められています。

高感度の撮像素子は低感度のものと比べて少ない露出量でも明るい像を得られます。

ISO感度においては、同じ感度の撮像素子に同じ露出を与えた場合は、同じ明るさの像が得られるようにISOで規格化されています。

ISO感度は、100という数字を基準として感度を決めており、そのときの感度をISO100としています。

ISO100の2倍の感度をISO200、4倍の感度をISO400、8倍の感度をISO800 としており、2倍づつ感度は増えていきます。

ISO感度の設定の目安

それではISO感度の設定変更はどのようなシーンで使うのが効果的でしょうか。

効果的な使い方のシーンをご紹介します。

室内での手持ち撮影で手ブレを防ぎたい

室内や暗い場所ではシャッタースピードが遅くなりますので、手持ち撮影の場合は手ブレが起きてしまいます。

三脚があれば一番良いのですが、無い場合や使えない場合もあるでしょう。

このような場合に手ブレを起さずに、手持ち撮影する場合は、シャッタースピードを上げれば良いのですが、屋内などの暗い場所では限界があります。

このような時に、ISO感度を上げることによってシャッタースピードを上げることが出来ます。


仮に現在の設定が、ISO感度100、絞りF5.6、シャッタースピード1/2秒で適正露出の場合、シャッタースピード1/2秒での手持ち撮影では手ブレが起きてしまいます。

絞りF5.6 は固定した場合、ISO感度とシャッタースピードの関係は以下の表のようになります。

ISO感度100200400800160032006400
シャッタースピード1/2秒1/4秒1/8秒1/15秒1/30秒1/60秒1/125秒

ISO感度100でシャッタースピード1/2秒であったものが、ISO感度を6400まで上げると、シャッタースピードは1/125秒まで高速にすることが出来ます。

ISO感度3200で1/60秒か、ISO感度6400で1/125秒で写せば、ノイズも目立つことなく手ブレを押さえて撮影することができます。


屋内での撮影で被写体ブレを防ぎたい

上記のシャッタースピードを上げて手ブレを抑える方法を使えば、被写体ブレを防ぐこともできます。

動物や、小さなお子様など、なかなかじっとしていない被写体を写す場合は、シャッタースピードを上げて写せば、被写体ブレを防ぐことができます。

夜景など暗い場所で絞ってシャープに写したい

上記では、シャッタースピードを上げたい場合のISO感度の設定の方法をご紹介しましたが、絞りについても同様の方法で絞り込むことが出来ます。

夜景などの暗いシーンの場合は、絞りは開放ぎみになりますが、絞ってシャープに写したい場合もあるかと思います。

このような時も、ISO感度を上げることによって、上げた分だけ絞りを絞ることが可能になります。

仮にISO感度100、絞りF2.0、シャッタースピード1/15秒で適正露出の場合、シャッタースピード1/15秒は固定の場合、ISO感度と絞りの関係は以下の表のようになります。

ISO度10020040080016003200
絞りF2.0F2.8F4.0F5.6F8F11

夜景などの暗いシーンの場合でも、ISO感度を上げることによって絞りを絞ることが出来ます。

表現を変えずにシャッタースピードや絞りを変えたい

露出を一定にしたい場合は、シャッタースピードや絞りを変更すると、それに伴って絞りやシャッタースピードが変わってきます。

絞りやシャッタースピードが変わると、表現の仕方も変わってきます。

絞りの数値が変わると、ボケの表現が変わってきます。

シャッタースピードが変わると、動きの表現が変わってきます。

表現の仕方を変えずにシャッタースピードや絞りのどちらかを変えたい場合は、ISO感度を調節することによって可能となります。


例えば、絞り値を変えずにシヤッタースピードだけを変えたい場合は、絞り優先AEとし、シャッタースピードを上げたい場合は、ISO感度を上げれば良いですし、シャッタースピードを下げたい場合は、ISO感度を下げれば出来ます。

またシャッタースピードを変えずに絞り値だけを変えたい場合は、シャッタースピード優先AEとし、絞りを絞りたい場合はISO感度を上げ、絞りを開けたい場合は、ISO感度を下げれば、その分絞りを開けることができます。

このように露出を固定して、表現の仕方を変えずにシャッタースピードと絞りのどちらかを変えたい場合は、ISO感度を調節することによって可能となります。

星空の撮影で星を止めて写したい

星空撮影で星の動きの軌跡を撮影する場合は、シャッタースピードは「バルブ」に設定して長時間露光(20分~30分)で撮影します。

これとは逆に星の動きを止めて、星を点で写したい場合は、ISO感度を上げて写すことで可能となります。

星は、北半球では北極星を中心に円周上を動いていますので、北極星の近くでは動きはゆっくりですが、赤道付近の星は動きは速くなります。

星空を眺めていると、意外に早く動くのに気づかれると思います。


したがって、星空の撮影で星の動きを止めたい場合は、絞りは開放にして、ISO感度は、ノイズが目立たない範囲で出来るだけ高感度にして、シャッタースピードを速くして写す必要があります。

ISO感度の設定の目安としては、カメラの機能によって変わってきますが、ISO1600~ISO3200 以上でノイズが目立たない上限まで上げるのが良いでしょう。


シャッタースピードの目安は、写す星の明るさによって変わってきますので、2~3秒当たりから遅くしながら試し撮りをする必要があります。

写る星の明るさと動く星の写り方を見ながらシャッタースピードを決めて下さい。

ちなみにレンズの焦点距離については、同じシャッタースピードで写しても望遠側で写すよりも広角側で写した方が被写体ブレは目立ちません。

なので出来るだけ広角側で写せば、シャッタースピードを遅くしても、星を点に近い形で写すことが出来ます。


ISO感度と露出の関係

ISO100 と ISO200 を比べた場合、ISO200 は ISO100 の2倍の感度を有していますので、ISO200 のときの露出は ISO100 のときの露出の1/2の露出で同じ明るさの像が得られます。

具体的な数値で言いますと、

たとえば、ISO100、シヤッタースピード1/250、絞り値5.6 で写した場合に適正な明るさの像が得られたと仮定します。

ISO200 にして同じ明るさの像を得るには、露出を半分にすれば良いので、シヤッタースピードを1/500にするか、絞り値を1段絞って8にすれば同じ明るさの像を得ることが出来ます。


ISO400 の場合は、シヤッタースピードを1/1000にするか、絞り値をさらに1段絞って11にすれば同じ明るさの像を得ることが出来ます。

このように絞りとシャッタースピードの露出の関係は、倍半分の関係になっています。

ISO感度と絞りの関係、及びISO感度とシャッタースピードの露出の関係も倍半分の関係になっています。

したがって暗いシーンなどでの手持ち撮影の場合、手ぶれが心配されるときは、ISO感度を大きくすることで早いシヤッタースピードが使えるようになりますので、手ぶれも抑えるこことが可能になります。


また現在のシャッタースピードを変えないで絞りを絞り込みたい場合に、ISO感度を2倍にすれば、絞りを1段絞り込むことが出来ますし、ISO感度を4倍にすれば、絞りを2段絞り込むことが出来ます。

このようにISO感度を変えることによって、シャッタースピードと絞りの設定範囲の幅も大きくすることが出来、したがって撮影の幅も拡大します。

このようなISO感度と露出の関係は、どのメーカーのフィルムやデジタルカメラを使って撮影しても同じ結果が得られるようにISO(国際標準化機構)で感度について規格化されています。

感度調整の方法

フィルムの場合は、フィルムの感光材を変えることによって感度を調整しています。

デジタルカメラでは、撮影レンズを通ってきた光は撮像素子に当たりアナログ信号を出力しますが、このアナログ信号は微弱なため増幅されてからデジタル信号に変換されます。

この変換を「A/D変換」と言いますが、変換する際の増幅の大きさを変えることによって感度を変えています。

ISO感度を大きくするためには、増幅の大きさを大きくすれば良いのです。

増幅の幅を小さくすれば、感度も小さくなります。


ただ問題なのは、増幅を大きくするとノイズも大きくなってしまうということです。

したがってあまり極端にISO感度を大きく設定してしまうとノイズも大きくなってしまい、画像がざらざらした荒い画像になってしまいます。

このあたりが各メーカーの苦労されているところですが、最近では、ISO感度を大きくしてもノイズを発生させない新しい技術が各メーカーで開発されています。

かなりの高感度でもノイズを抑えた高画質の画像が得られるようになっています。

したがって最近のデジタルカメラは高感度化がかなり進んでいます。


ノイズ低減機能

上記でご紹介したように、アナログ信号からデジタル信号に変換する「A/D変換」の際の増幅の幅を大きくすることによって感度を上げることが出来ます。

増幅の幅を大きくすることによってノイズの幅も大きくなってしまうので、極端に高感度にするとノイズも目立ってきます。


そこで考えられたのが、高感度ノイズ低減機能です。

全てのデジタルカメラに搭載されている機能ではありませんが、高機能のデジカメには搭載される場合が多いようです。

暗いシーンでの撮影が多く、高感度に設定することが多い場合は、この機能を活用すると良いでしょう。

ISO感度オート(AUTO)のすすめ

皆さんは通常の撮影をされるとき、ISO感度はどのように設定されていますか。

私は、だいたいオート(AUTO)にして撮影しています。

特にISO感度の設定数値にこだわりがなければ、オート(AUTO)にして撮影されることをオススメします。

ISO感度オート(AUTO)にして撮影すると、周囲の明るさに応じてカメラが自動的に、ノイズが目立たない範囲でISO感度を調節してくれます。

それによって、手ブレを起さないシャッタースピードを得ることができます。


晴れた日中の屋外では、最低感度のISO100でも十分なシャッタースピードが得られますが、晴れた日中でも屋内の場合は、けっこう薄暗くなります。

このような場合は、ISO感度100ではシャッタースピードが遅くなり、手ブレが生じてしまいます。

したがって、室内や薄暗い場所での撮影の場合は、その都度ISO感度の数値を設定し直す必要があります。

撮影中にISO感度の数値を設定し直すのは面倒でもあり、撮影に集中することが出来ません。


特に結婚式などの撮影では、屋外の場合や屋内の場合があり、また屋内の場合は照明の明るさが演出のために変わることがよくあります。

その度にISO感度を変えるのは大変ですし、手早く行わないと折角のシャッターチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。


またISO感度の数値を設定し直すのを忘れてしまい、シャッターボタンを押してから気づいたのでは遅く、ブレブレの写真となってしまい、折角のシャッターチャンスを逃してしまいます。

 撮り直しが出来ない場面や、失敗が許されないような撮影では、ISO感度はオートにして撮影するのが良いでしょう。

それと同時に、私はホワイトバランスもオートにしています。

上限ISO感度の設定

ISO感度をオートに設定しておくと、薄暗い場所ではノイズが目立たない範囲で自動的に感度が上がり、大変便利な機能です。

なおISO感度オートの場合の設定数値の範囲は、それぞれのカメラの性能によって、そのカメラの初期設定として決められています。

ISO感度オートの場合の数値の初期設定の範囲は、変えることができます。

カメラが決めた上限値まで高感度にした場合、ノイズが目立つと判断された場合は、上限ISO感度の設定値を下げておくと良いでしょう。


ISO感度の下限値は通常100ですが、80とか64に設定できるカメラもあります。

通常の常用ISO感度の下限値は100ですので、80や64に設定すると画質が落ちます。

ISO感度オートの場合の数値の初期設定に80や64が含まれている場合、

100より下に落としたくない場合は、同様の方法で下限ISO感度を100に設定しておくと良いでしょう。


100より低いISO感度の使い方

上記でご紹介した80とか64といった、100より低いISO感度は何のためでしょうか。

高感度にする目的は、シャッタースピードを上げたり、絞りを絞るのが目的ですので、低感度にするのは、その逆となります。

つまりシャッタースピードを遅くしたい場合や、絞りをもっと開けたい場合に使用します。

例えば、噴水や滝の水の流れをシャッタースピードを遅くして表現したい場合や、絞りを開けてボケを表現したい場合などに使用します。


通常シャッタースピードを遅くしたい場合や、絞りをもっと開けたい場合は、減光すれば可能になりますので、減光フィルターのNDフィルターを使用するのが一般的です。

ISO感度を100より低感度にすると画質が落ちますので、どちらの方法で行うかは画質を見ながら判断してください。

まとめ

薄暗い屋外や暗い室内、夜景をバックにしたポートレートの手持ち撮影では、ISO感度が100のままでは、希望するシャッタースピードや絞り値が得られません。

このような場合は、ISO感度の設定値を調整しましょう。

また、失敗の許されない撮影や取り直しが出来ない撮影では、ISO感度をオートにしておくと良いです。

ISO感度の使い方に慣れてきたら、ISO感度、シャッタースピード、絞りの3つを組み合わせた幅の広い撮影が可能となります。

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この記事を書いた人

DIYアドバイザー、フォトマスター2級、コーヒーコーディネーター
(趣味)
DIY、釣り、写真、スケッチ、旅行、山登り、キャンプ

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