悪質な犯罪が増加している現在においては、大切な我が家の財産を守るためには、窓や玄関ドアの防犯対策は必須です。
戸締りの甘い窓や玄関ドア、そして見落としがちな勝手口などを空き巣やドロボーは狙っています。
簡単にDIYで取り付けられる補助錠や音や光などによってドロボーを撃退するグッズなどが販売されています。
そこで簡単に取り付けられる防犯グッズをご紹介します。
りょう(DIYアドバイザー)
窓の防犯対策
クレセント錠
通常のアルミサッシの窓にはクレセント錠と呼ばれる鍵が取り付けられています。
クレセント錠は、レバーを上方向に回転させてロックさせる仕組みとなっています。

クレセント錠(右側用)
しかし最近のクレセント錠は、二重ロックになっており、レバーを上方向に回転させてロックさせた後、横に付いているスイッチを押し下げるとロックがかかりレバーが動かなくなるようになっています。

二重ロック式クレセント錠(右側用)
従来のクレセント錠が取り付けられている場合は、二重ロック式のクレセント錠に交換されることをお勧めします。
二重ロック式のクレセント錠に交換して取り付ける場合は、型、取付高、ビスピッチ、引寄せ寸法がメーカーによって異なっていますので、確認が必要です。
できれば現物で合わせてみるのが確実でしょう。
なおクレセント錠には右側用と左側用があります。
室内側から見て、手前の戸が右側にある場合が右側用、左側にある場合が左側用となりますので間違わないようにしてください。
また交換するクレセント錠には、型、取付高、ビスピッチ、引寄せ寸法、が調整出来て全てのメーカーに対応できる万能型もあります。
万能型のクレセント錠の場合は、ほとんどのアルミサッシに取り付けることが出来ます。
クレセント錠は、レバーの回転によるツメのかかりが甘いと、サッシを振動させたり揺らしたりすると外れてしまう場合があります。
またクレセント錠1つだけでは、窓ガラスを割られて施錠を簡単に解かれて侵入されてしまうケースがあります。
窓の上下か、少なくともどちらかには締まり金具を取り付けておくことが防犯対策上重要になってきます。
簡単に取り付けられる締まり金具を幾つかご紹介します。
サッシ補助締まり
サッシ補助締まりは、クレセント錠の補助用の錠として取り付けたり、換気の目的でサッシを少しだけ開けて固定したい場合などに取り付けます。
サッシ補助締まりには、貼りつけるだけで取り付けられる粘着タイプとビスで留めるタイプの2つがあります。
粘着タイプは強い力を加えると取れてしまう場合がありますので、防犯上で取り付ける場合は、ビスでしっかり留めるタイプが良いでしょう。
ビスタイプは、タッピングビスを使用してサッシに穴を空けながらねじ込んで固定します。

ロック状態
ロックさせるときは、折れ曲がってサッシを抑えるようになっています。

解錠状態
平らにすれば解錠されてサッシが開けられます。
粘着タイプの場合は、取り付ける部分の汚れや水分をきれいに取り除きます。
本体の裏側に付いている保護紙をはがしてサッシにしっかり押し付けて貼り付けます。
冬場に結露しやすい部分や浴室のサッシは水滴によってはがれやすくなりますのでこのような場所では、ネジ留めタイプが良いでしょう。
ファスナー式サッシ補助錠
ファスナー式サッシ補助錠は、スライドさせてサッシを抑えて施錠し、解錠するときはつまみを回してスライドさせて除けばサッシを開けられます。

ロック状態

解錠作業
解錠するには、つまみを回してスライドさせます。

解錠状態
全て引き抜けば解錠状態となります。
ファスナー式サッシ補助錠を取り付ける場合は、本体とガイドレールを取り付けた状態(ロック状態)でガイドレールの裏側の保護紙をはがして、裏側の粘着面をサッシの取り付け部分に貼り付けます。
その後、本体をスライドさせて外します。
ガイドレールをサッシにネジ留めすれば取り付けの完了です。
ファスナー式サッシ補助錠には、鍵が取り付けられるタイプのものもあります。
溝ロックタイプ
溝ロックタイプは、サッシの溝にはめ込んで、上部に付いているダイヤルを回すことによってサッシを押さえつけてロックするというものです。

このタイプは、レールの溝に差し込んでダイヤルを回して止めるだけで、ネジ留めが不要ですので、手軽に取り付けが出来ます。
またサッシに穴を開けませんので賃貸住宅にお住いの方には良いでしょう。
防犯以外の用途では、小さなお子様が戸を開けて外に出るのを防いだり、飼われているペットが勝手に開けられないようにする目的で使われている方もおられます。
他にもいろいろなタイプの補助錠がありますので下記をご覧ください。
センサーアラーム
センサーアラームは、窓ガラスをこじ開けようとしたり、ガラスを割ったりするとそれらの振動を感知してアラームが鳴り知らせてくれるものや、外部からの侵入者などの動きを感知する人感センサーが付いているものなどがあります。
ガラス窓の振動を感知するものは、ガラス面にシールで貼るだけで簡単に設置することができます。
また、窓が開くとアラームが鳴るタイプのセンサーもあります。
防犯フィルム
防犯フィルムは、窓ガラスに貼ることによって、割られて侵入されるのを防ぐものです。

空き巣の侵入の手口として、クレセント錠のある部分のガラスをカッターで切ったり割ったりして解錠されて侵入されるケースが多いようです。
防犯フィルムは、ガラスを割れにくくしたり、割れても破片を取りにくくすることが出来ます。
防犯フィルムには、透明の粘着フィルムが使用されており簡単に窓ガラスに貼ることができます。
上記の図のようにクレセント錠の部分に貼るタイプのものが多いようですが、窓ガラス全面に貼ることが出来るものも市販されています。
窓ガラス全面に貼ることが出来るタイプの防犯フィルムは、割れたガラス破片の飛散防止にも役立ちますので、台風が接近した場合などには怪我の防止にも役立ちます。
雨戸用補助錠
雨戸が付いている窓では雨戸を閉めることによってある程度の防犯効果はありますが、雨戸は意外と簡単に外されてしまいます。
上記の雨戸用補助錠は、木製雨戸専用の補助錠です。
雨戸を閉めた場合でも、万が一雨戸を外されても大丈夫なように、本体の窓にもしっかりと防犯対策をしておきましよう。
また家の裏側の小さな窓には格子が付けられている場合がありますが、この格子は意外と強度がなかったり、取り付けが甘かったりします。
強い力を加えると外れてしまう場合もあるようで、防犯効果は低いと思われます。
一度確認してみることも必要でしょう。
格子が付いている窓にもしっかりとした防犯対策を行なっておくことが大切です。
防犯カメラ
防犯カメラは空き巣やドロボーの抑止には大きな効果を持っています。
また防犯カメラは、あらゆる犯罪の抑止、解決に大きな効果がありますので私たちの住んでいる街にも多く設置されています。
玄関ドアの防犯対策
玄関ドアも空き巣やドロボーの侵入から防ぐためにしっかりとした防犯対策が必要ですが、意外と忘れがちになるのが勝手口です。
むしろ人目に付きにくい勝手口のほうが狙われやすいので、しっかりと防犯対策を行なっておきましょう。
ドアの防犯対策の方法には以下のようなものがあります。
1、ピッキングされにくいシリンダー錠に交換する。
ドアの場合は、特殊な器具を使ってドアのシリンダーを解錠して侵入するピッキングによる被害があります。
そこで、ピッキングに強い「CP認定」や「CPC認定」のシリンダー錠に交換すると良いでしょう。
2、補助錠を付ける
1つの鍵ではやはり心配ですので、2つ以上の鍵を付けることによって侵入のための時間をかけさせ、侵入をあきらめさせる必要があります。
マンションなどの鋼鉄製のドアは難しいですが、木製のドアの場合は、ご自身で取り付けられる補助錠やシリンダー錠もあります。
なお、補助錠を取り付ける場合は、手を伸ばさなければ届かないような高い位置に取り付けることで解錠されにくくなります。
3、防犯グッズを取り付ける
ドア用に開発されたいろいろな防犯グッズが市販されていますので、それらを取り付けることで侵入を防ぐことが出来ます。
ピッキングに強いシリンダー
ピッキングによる解錠被害を防ぐために、CP認定(優良防犯機器認定)やCPC認定(シリンダー認定)などの防犯性に優れているシリンダーに注目が寄せられています。
シリンダーには、ディスクシリンダーとピンシリンダーがありますが、より防犯性の高いピンシリンダーに交換されています。
ピンシリンダーは、差し込み口がピッキングしにくいような構造になったものや、専用キーでなければ回転しない構造になっているも、キーに複数のディンプルがあるディンプルキーなどがあります。
●従来のディスクシリンダー

従来のディスクシリンダーは、上記の図のように施錠時、鍵穴が縦になります。
●新しいU9シリンダー

新しいU9シリンダーは、上記の図のように施錠時、鍵穴が横になります。
●サイドバー方式ディスクシリンダー
サイドバーと呼ばれるものがシリンダー内に組み込まれており、ピッキングしにくい構造になっています。
●ディンプルキー(4列斜向配列)
ピッキングされにくいシリンダーとして最近多く採用されています。
左右斜めの4方向にピンが配列されており、キーにはうす状の穴が空いています。

ディンプルキー
ドア用補助金具
ラッチ類
ラッチには、丸棒ラッチ、角ラッチ、オートラッチなどがあります。

丸棒ラッチ

角ラッチ
オートラッチは、バネが内臓されています。
落とし類
落とし類には、丸落とし、フランス落とし、爪掛け(つめかけ)などがあります。
首回り掛金

物置や倉庫などの鍵として使われており、輪っかに南京錠を取り付けます。
道具箱などにも使われています。
打ち掛け

打ち掛けは、小型のカンヌキの形をした金具です。
上記の図のものは、固定出来ませんが、簡単に開けられないように固定できるタイプのものもあります。
アオリ止め

最近では見かけなくなりましたが、昔は浴室やトイレなどの木製の扉にはよく使われていました。
防犯というよりは、勝手に扉を開けられないようにしたものです。
名称は「アオリ止め」と言いますが、現在でも市販されています。
防犯性能はありませんので、室内のドアなどに自由に開けられないようにするには手軽に取り付けられます。
ガードプレート

ガードプレートは、ドアのシリンダー錠の部分に取り付けてガードするものです。
ドアにすき間があると、バールなどを差し込まれて鍵を壊されたり、こじ開けられて侵入されるケースがあります。
ガードプレートは、L型をした細長いプレートですが、ドアの鍵の部分に取り付けることによって、バールなどが差し込まれるのを防ぎます。
ただしガードプレートは、外開きドア専用のものになり、内開きドアには使用できませんので注意してください。
ドアチェーン

最近の住宅やマンションでは、ドアチェーンは常設されているところも多いようですが、女性の一人住まいの方にとっては必須ではないでしょうか。
訪問者を装ってドアを開けさせて侵入してくるケースもありますので、ドアチェーンは常に施錠しておき、確認してから解錠するようにしましょう。
いろんなタイプのドアチェーンが市販されていますので、あなたのお住まいのドアに合わせて選びましょう。
ドアガード

ドアチェーンよりも強力なのがこのドアガードです。
ドアチェーンは、切断されたりはずされたりされることがあるのですが、ドアガードは、より硬い材質で作られており、簡単に切断されることはありません。
ドアガードにも多くの種類が市販されています。
サムターンガード

サムターンというのは、ドアのドアノブやドアハンドルの近くにある内側から施錠するためのつまみです。
ドロボーの侵入手口として「サムターン回し」というのがあり、ドアのすき間などから器具などを差し込んで、サムターンを回して解錠して侵入するというものです。
サムターンガードは、サムターンの周りをカバーして回されないようにするものです。
またサムターン自身をロックできるものもあります。

ドアアラーム
ドアアラームは、ドアとドア枠の2か所にマグネットセンサーを取り付けておくもので、不正にドアが開けられた場合は、感知して警報音が鳴る仕組みになっています。

マグネットセンサーによる感知の他には、ドアノブに掛けておくタイプのものや、床に置いてドアが開くとスイッチが入って警告音が鳴るものなど、いろいろなタイプがあります。
これらのアラーム式の警報音によって不正侵入を知らせるタイプのものは、多くのものが電池式となっており電源のための配線の必要がありません。
簡単に設置できるのも良いところです。
センサーライト
センサーライトは、人感センサー付きのライトで、人が近ずくとセンサーが感知して自動的にライトが照らされるものです。

最近ではセンサーライトを設置されておられるお宅も多いようですが、不審者に対しては大きな効果があります。
窓の防犯対策でご紹介した防犯カメラと連動させればさらに効果がアップします。
また夜の帰宅が遅くなるご家族の方がおられるご家庭では、ご家族を守るライトにもなるのではないでしょうか。
まとめ
大切な我が家の財産を守るためには、しっかりとした防犯対策が必要です。
最近の防犯グッズは、ITを利用した最新のものから、簡単にお手軽に設置できるものまでいろいろあります。
また玄関や勝手口の防犯対策は重要ですが、その前に一度外から我が家を見たときどのように見えるかをチェックするのも大切です。
玄関や勝手口が塀や植え込みなどによって見えにくい場合は、かえってドロボーの侵入を周りから隠してしまうことになってしまいます。
玄関や勝手口などは、外から見えやすくしておくことも防犯対策になります。
また夜は、入口付近は常に明るくしておくことも大きな効果につながります。
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