木工DIYでの基本的な作業は、「カットする」ことと「接合する」ことの2つです。
特に家具製作では、カットと接合が主な作業となります。
このカットと接合に必要な電動工具が、丸ノコ、ジグソー、ドライバードリルの3つとなります。
DIY初心者の方に、おすすめの電動工具3つについて、使い方や人気のメーカーをご紹介します。
りょう(DIYアドバイザー)
最初に揃えておきたい電動工具3つ
一般的な家具作りにおける木工作業の中で、基本的でなお且つ頻繁に行う作業は、「カットする」と「接合する」の2つの作業になります。
特に家具などの製作においては、カットと接合が主な木工作業となります。
そこで最初にそろえておきたいオススメの電動工具は、丸ノコ、ジグソー、ドライバードリル の3つとなります。
上記の3つの電動工具について、使い方など詳しくご紹介します。
丸ノコ

丸ノコは直線カットに大変便利な電動工具になります。
丸ノコは円形の刃(ブレード)を高速回転させて材料を切断しますが、ブレードを交換することによって、木材以外の金属、プラスチック、石等も切断することが出来ます。
ただ、丸ノコは電動工具の中で一番取り扱いに注意する必要があります。
円形の刃(ブレード)は高速回転し、力も強いので、無理な力がブレードにかかると、「キックバック」という現象が起きます。
キックバックが起きると、本体が手前に押し戻されますので、思わぬ怪我をする場合があります。
ホームセンター等では購入前に、試しに使用してみるのが良いでしょう。
また、DIYアドバイザーの方がおられると思いますので、使用上の注意点等について十分なアドバイスを受けるようにして下さい。
丸ノコの各部の名称

丸ノコの各部の名称は、上記の図のようになっています。
丸ノコは、木材の切断時にブレードがむき出しの状態で高速回転しますので、危険のため安全カバーが付いています。
この安全カバーは、安全確保のために大変重要な部品の一つです。
動かないように固定したり、取り外したりするようなことがないように使用してください。
丸ノコの種類
●普通タイプ
一般的に使われる丸ノコで、ブレードの直径が160~180mmくらいのものがよく使われています。
もっと直径が大きな丸ノコもありますが、これくらいが使いやすいでしょう。
ブレードを交換することによって、木材のほかにプラスチックやトタン板などもカットできます。
●小型高速タイプ
ブレードの直径が110mm程度の小型のものになり、ブレードを高速で回転することによって、アルミ板、トタン板、タイルなどのカットに適しています。
●ウォームドライブソー
ウォームギアという特殊な歯車を使用した丸ノコで、大きな原則比が得られ、強力な切断力が得られるのが特徴です。
金属や石などの硬い材料のカットに使われます。
また普通タイプの丸ノコで起きることがあるキックバックが起こらないのも特徴になっています。
●ベンチ丸ノコ
ベンチ丸ノコは台に固定されており、テーブルからブレードだけが出るようになっています。
丸ノコ本体は台に固定されていますので、カットするときはテーブル面の上を材料をスライドさせてカットします。
ノコ刃(ブレード)の種類
ブレードには、木工用、金属用、石材用、プラスチック用などがありますのでカットする材料に合わせて選択してください。
また丸ノコ本体の外径と取り付け穴に合わせて選択してください。
木工用に使われているブレードは、チップソーと呼ばれているものがよく使われています。

チップソー
チップソーは、刃先の先端にタングステンカーバイト鋼と呼ばれている特殊な硬い刃が付いており、きれいにカットすることが出来ます。
丸ノコの基本的な使い方
●ブレードの調整
カットの作業に入る前に、ブレードの調整を行いますが、調整を行うのはブレードの出具合と角度になります。
ブレードの出具合については、材料をカットする際に材料の下から5mm~10mmくらい出るように調整してください。

実際にカットする材料を丸ノコのベースの上に載せ、一番刃先が出ている部分の刃先の出の寸法を測ります。
刃先を出し過ぎると、カット面がきれいでなくなるのと、キックバックが起こりやすくなりますので注意してください。
角度については、角度切りの場合を除いて、通常はベースに直角になるように調整をします。
サシガネで確認しながら角度調節ネジで調整してください。

材料の設置の仕方
丸ノコはキックバックを起しやすく危険度の高い電動工具です。
キックバックとは、材料のカット中にブレードに抵抗がかかり、丸ノコ本体が押し戻される現象を言います。
キックバックを起す原因は、材料の設置の仕方と固定の仕方にあります。
間違った設置の仕方が以下の図のような設置になります。

カットする位置の両側に台を置くと、切り進むにつれて材料がVの字に折れて、ブレードを締め付けてキックバックを起します。

このキックバックを防ぐためには、以下のような設置方法で行ってください。

切り落とす板の下には何も置かず、自然の状態にします。

切り進めていくと、切り落とす板の右端は自然に下がっていきますので、材料の板がブレードを締め付けることはありません。
しかしここで気をつけないといけないことがあります。
経験をされた方もおられるかと思いますが、板が下がっていきあともう少しで切り終えるというところで、板の重みでバリッと板が裂けてしまう場合があります。

これを防ぐためには、切り落とす板が下がり過ぎないように、切り落とす板の下にも台を設置するのが良いでしょう。

ただしこの場合は、必ず切り落とす板の下の台(3と4)は、1と2の台よりも高さの低いもので、板との間にすき間を設けるようにして下さい。
こうすれば、ブレードを締め付けることもなく、板が下がり過ぎて裂けることもなく、切り落とす板を受け止めてくれます。
もう一つ、キックバックを起す原因として、カットの作業中に材料が動いてしまうことが挙げられます。
カットの作業中に材料が動くと、ブレードと材料の摩擦が大きくなりキックバックの原因となります。
材料は、カットの作業中に動かないように、作業台などにクランプ等を使ってしっかり固定することが大切です。
固定する場合は、2か所以上で固定させることが重要です。
ジグソー
ジグソーは巾の狭い刃(ブレード)を上下に動かしながら材料をカットします。
カットするスピードは丸ノコよりかなり遅いのですが、細いブレードを使用しますので、丸ノコでは難しい曲線カットや窓抜きカットなどが容易にできます。
また、専用のブレードを交換することによって木材だけではなく、プラスチックや金属もカットすることが出来、多用途に使うことができます。
ブレードの巾が狭いので丸ノコのような直線カットは苦手ですが、ガイドや定規を使えば直線もカットできます。
初心者の方にはオススメの電動工具です。
ジグソー各部の名称

ジグソーの各部の名称は上図のようになっています。
ジグソーの種類と特徴
●単速タイプ
ある程度の一定の速い速度でブレードが上下するタイプで、速度を変更できないのが単速タイプのジグソーです。
低速を必要としない作業に適していますが、細かな作業には向きません。
●変速タイプ
変速タイプのジグソーには、無段変速タイプと2段変速タイプがあります。
無段変速タイプは、低速から高速まで作業に合わせて速度を変えることが出来ます。
2段変速タイプは、低速と高速を材料や作業内容によって変更するものです。
変速タイプは使用用途も広く、扱いも簡単ですので最初に選ぶジグソーとしておすすめのジグソーです。
●オービタルアクションタイプ
ブレードがオービタルアクション(楕円運動)をしながら上下するのが、オービタルアクションタイプになります。
通常のジグソーに比べて切削能力が高く、厚い木材などを切断する場合に適しています。
ただし、オービタルアクションタイプのジグソーは、金属の切断には使用出来ません。
ブレードの種類と用途

ジグソーのブレードは、切断する材料や作業内容によって使い分けるようになっています。
また、メーカーによって固定方法が異なっていますので、メーカー専用のブレードを使用する必要があります。
購入する際は、メーカー、固定方法を確認して購入するようにしましょう。
ブレードには、木材や合板のカットに使用する木材用、アルミ、真鍮などの非鉄金属用、鉄板を切断するのに使用する金属用。
コルク、ゴム、皮革のカットに適したナイフブレード、ブロック、FRP、タイルなどをカットする特殊材料用などがあります。
ジグソーの基本的な使い方
ジグソーのブレードは、細く折れやすいので、ゆっくり押し進めながら作業するのが基本となります。
特に曲線をカットする場合は、ゆっくり押し進める必要があります。
無理をして押し進めると、ブレードが曲がったり、折れたりします。
切断作業の手順
① ベースの先端を加工する材料に軽く当ててスイッチを入れます。
このときブレードの刃は材料には当てません。
② ブレードの速度が一定になったら、ベースで材料を押さえて、ブレードの刃を材料に軽く当ててゆっくり押し進めながらカットしていきます。
③ 切り終わったら最初にスイッチを切り、ブレードの上下運動が完全に停止するのを確認してジグソーを材料から外します。
ドライバードリル
木工での接合作業では木ネジを使っての接合が主になりますが、そこで活躍してくれるのがドライバードリルになります。
ドライバードリルは文字通り、ドライバー(ネジ締め)とドリル(穴あけ)の2通りの機能を持っています。
ドライバードリルには各種のビットが用意されており、ドリルビットで下穴を開け、ドライバービットを使って木ネジを締め付けます。
従来は穴あけ、締め付けを手作業で行っていましたが、ドライバードリルの出現によって格段に楽になり、スピードもアップしました。
また最近のドラバードリルは、充電式のものが主流となっており、電源の取れない屋外でも活躍してくれます。
電動ドリル、ドライバーの種類
電動ドリルと電動ドライバーには幾つかの種類がありますので、まず種類と違いについてご紹介します。
●ドライバードリル

電動ドライバードリルには、ドライバー(ネジ締め)機能とドリル(穴あけ)機能が付いています。
木工DIYでの基本作業となる穴あけ作業とネジ締め作業が1台で出来る便利な電動工具です。
ドライバー(ネジ締め)機能には、トルククラッチ機能が付いており、ネジを締め付ける力を調節することができます。
これによってネジを締め過ぎるということがありません。
●インパクトドライバー

インパクトドライバーは、回転するドライバーの軸に衝撃を与えて、強力な力でネジを締めることが出来る電動ドライバーです。
ドライバー専用機となっていますが、ドリルとしても使うことが出来ます。
衝撃を与えることによってより強力な力で穴もあけることが出来ます。
回転軸に与えられた衝撃によって強力な回転力が得られ、通常のドライバードリルの4~5倍のパワーが得られます。
このパワーを活かして、インパクトドライバーは長いコーススレッドの打ち込み作業やウッドデッキなどの組み立てなどの重作業に適しています。
●電気ドリル

電気ドリルは穴あけ専用のドリルとなっています。
電気ドリルは100Vの電源を使用するコード式のものが良く、したがってトルクも強いので長時間の穴あけ作業に適しています。
電気ドリルには高速、低速の2段に速度が切り替えられるものや、無断変速で速度が変えられるものがあり、ドリルビットによって回転速度を使い分けることが出来るようになっています。
また電気ドリルはトルクが強いので、ビットの交換方式は、キーチャック方式によってしっかりと固定できるタイプのものが良いでしょう。
●振動ドリル

コンクリートやブロックなどの硬い材料に穴を開ける場合などに使われるのが振動ドリルです。
振動ドリルは、回転方向に打撃を与えるとともに、軸方向へも打撃を与えることが出来るようになっており、より強力に穴あけ作業を行うことが出来ます。
振動ドリルにはハンドルが付いており、強い振動にも耐えられるように両手で持つことが出来るようになっています。
電動ドライバードリルの使い方
電動ドライバードリルにはコード式もありますが、人気があり普及しているのは、バッテリー電源によるコードレス式です。
・バッテリー交換

予備のバッテリーが付属しているタイプのものが良く、交換しながら使用することが出来ます。
・ビットの交換

ビットと呼ばれる先端工具の取り付け、取り外しは、ドリルチャックを回転させて簡単に行うことが出来ます。
・スイッチ

電源のオン、オフは、手元のスイッチで行いますが、スイッチの引き加減で回転速度を調節することが出来ます。
・正転、逆転切り替え

スイッチの横には正転、逆転の切り替えレバーがあり、逆転して木ネジを抜く場合もスムーズに行えます。
・速度切り替え

私の所有しているマキタのドライバードリルには、本体上部に回転速度の切り替えレバーがついています。
高トルクが必要の場合は、低速側にして使用します。
・モード切り替え

モードの切り替えは、本体上部のマークに矢印を合わせて行います。
ネジマークがドライバモード、ドリルマークがドリルモード、ハンマーマークが振動ドリルモード、となっています。
・締め付けトルクの切り替え

締め付け力の切り替えは、締め付け力切り替えリングの数字によって変わり、マキタのこのタイプでは、1から16までの16段階の切り替えが可能となっています。
丸ノコの詳細については、こちらの記事を参考にしてください。

ジグソーの詳しい使い方については、こちらを参考にしてください。

ドラバードリルの詳しい使い方については、こちらを参考にしてください。

おすすめメーカー人気ランキング
丸ノコ
No1. 日立工機 電気丸ノコ FC6MA2
No2. マキタ 電気丸ノコ HS471DZ
No3. マキタ 電気丸ノコ HS631DZS
No4. リョービ 電気丸ノコ MW-46
No5. 日立工機 スライド丸ノコ C7RSHC
ジグソー
No1. 新興製作所 ジグソー SJS-400
No2. マキタ ジグソー JV0600K
No3. リョービ 電気のこぎり ASK-1000
No4. マキタ ジグソー JV182DZK
No5. マキタ ジグソー JV101DZ
ドライバードリル
No1. マキタ ドライバードリル DF031DZ
No2. ブラック&デッカー ドライバードリル EVO183P1
No3. 日立工機 ドライバードリル FDS12DVD
No4. マキタ ドライバードリル DF031DSHS
No5. 新興製作所 ドライバードリル ACD-280
基本的な木工作業と道具・工具
基本的な木工作業とそれに必要な道具、工具をまとめてみますと次のようになります。
・削る
電動工具:自動カンナ盤、手押しカンナ盤、電気カンナ、ベルトサンダー
手工具 : カンナ
・カットする
電動工具:ジグソー、丸ノコ、糸ノコ盤、チェンソー、バンドソー、切断機
手工具 : ノコギリ
・穴を開ける
電動工具:ドライバードリル、トリマー、ジグソー、ボール盤
手工具 :キリ、ノミ、カナヅチ、ハンマー
・接合する
電動工具:ドライバードリル、インパクトドライバー
手工具 :ドライバー、カナヅチ、ハンマー
・仕上げる
電動工具:ベルトサンダー、オービタルサンダー、電気カンナ、ルーター
手工具 :カンナ、サンドペーパー
・固定する
道具 : バイス、クランプ、ハタガネ
・測定する
道具:コンベックス、サシガネ、ノギス
・塗装する
道具 :塗料、スプレー、ハケ
その他の電動工具としては、グラインダー、電気カッター、ポリッシャー、ブロアなどがあります。
その他の手工具としては、くぎ抜きに必要なカジヤ、バール、印を付けるためのケビキなどがあります。
作業工具としてはレンチ、スパナ、プライヤ、ニッパ、クリッパ、コードリールなどがあります。
電動工具のそろえ方
基本的な木工作業とそれに必要な道具や工具は上記のようになりますが、その全てを揃えるのは困難です。
またあなたがプロなのかアマチュアなのかによっても揃えるべきものは異なってきます。
また一口に木工といっても大きいものから小さいものまで、その内容はいろいろあります。
何を揃えたら良いのかは一概には言えませんが、日曜大工として木工をされるのであれば、楽しく、安全に、使いこなせる、を基本にすると良いのではないでしょうか。
電動工具の中には使い方によってはけっこう危険が伴うものもあります。
その中で、あなたにとって使える範囲が広くて、使う頻度の多い電動工具を選ぶのが良いと思います。
電動工具の選び方については、「電動工具の種類と選び方」も参考にしてください。
まとめ
木工内容によって必要な道具類は変わってきます。
一般的な家具などの製作の場合では、「カット」「接合」が主な作業内容になりますので、必要な電動工具は上記の3つということになります。
カットについては、ホームセンターなどでは、カットサービスを行っているところもありますので、利用するのも良いでしょう。
電動工具には上記の3つの他にも便利なものがありますので、必要に応じて揃えていかれるとよいでしょう。
また電動工具の他に、大工道具、作業工具、測定工具、切削工具といった手工具も大変便利ですので、必要に応じて揃えてみましょう。
下記のページに木工作業に必要になってくる工具、道具をまとめてみましたのでチェックしてみて下さい。

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