デジタルカメラの基本的な仕組みと構造&写真ができるまで。

カメラが発明されてから現在のデジタルカメラにいたるまで、カメラの基本的な原理は変わっていません。

フィルムカメラもデジタルカメラも原理は一緒ですが、光を写真にする過程が大きく変わりました。

現在は、フィルムカメラからデジタルカメラが主に利用されるようになりました。

デジタルカメラの内部ではいろいろな複雑なことが行われています。


私たちは特に気にすることはありませんが、複雑な処理が高速で行なわれています。

高級な一眼レフカメラもコンパクトデジタルカメラも、シャッターが切られてから記録メディアに記録されるまでの処理の流れは同じです。

デジタルカメラの基本的な仕組みと構造、ならびに写真が出来るまでの流れについてご紹介します。

目次

デジタルカメラの基本的な仕組みと構造

基本的なカメラの仕組み

16世紀ころに正確な絵を描くために、画家たちによって考え出された「カメラ・オブスクラ」がカメラの語源と言われています。

これは、暗い部屋の壁に開けられた小さな穴から入ってきた光が、反対の壁に外の風景

として逆さまになって映し出されることを利用したものです。


この原理を利用して、持ち運びが出来るまでに小型にしたのがピンホールカメラです。

それからフィルムカメラが発明され、現在はデジジタルカメラが主力となっています。

「カメラ・オブスクラ」から現在のデジジタルカメラまで、カメラの原理は同じですが、最終的な写真となって見ることが出来るまでの過程が大きく変わりました。

フィルムカメラとデジタルカメラの違い

フィルムカメラとデジタルカメラでは、写真として完成するまでの過程で、共通している部分と大きく異なる部分があります。

共通している部分は、写そうとする被写体の光をレンズを使って取り込んでいるところです。

異なる部分はここからで、取り込んだ光を当てるものと、そこから写真として完成するまでの過程が大きく異なっています。

フィルムカメラでの写真ができるまで

名前の通りフィルムカメラでは、写真として見ることが出来るようにするために、フィルムという媒体を使用します。

一般的なフィルムは薄い樹脂製で作られており、光を受ける面には光が当たると化学変化が起きる感光材料が塗られています。

この感光材料は感光乳剤と呼ばれているもので、感光乳剤は青感光層、緑感光層、赤感光層の3つの観光層に分かれています。

青感光層は青い光に反応し、緑感光層は緑色に反応し、赤感光層は赤い色に反応して感光します。


フィルムには、白黒写真が出来るモノクロフィルムとカラー写真が出来るカラーフィルムがあります。

カラーフィルムにはカラーリバーサルフィルムカラーネガフィルがあります。

カラーリバーサルフィルムは、被写体と同じ色相となりますので、そまま現像したり映写機などでスクリーンに映し出すことが出来ます。

それに対してカラーネガフィルは、被写体と反転した色相に写りますので、写真として観賞するためには、現像所に持っていき再度色相を反転してプリントしてもらう必要があります。


私たちが使用していたカラーフィルムは、カラーネガフィルが一般的でした。

ご自分で現像される方は別として、写真として見るためにはカラーネガフィルを現像所やプリントショップなどに持って行かなければなりませんでした。

デジタルカメラでの写真ができるまで

被写体の光をレンズを通して取り込むまでは、フィルムカメラとほぼ同じです。

デジタルカメラでは、フィルムの代わりに撮像素子と呼ばれるものが使われています。

写真として完成させるまでのプロセスがフィルムカメラとは全く異なっています。

シャッターを切ってレンズを通して入ってきた光が撮像素子に当たってから、記録メディアに保存されるまで、デジタルカメラの中で行われている処理の大まかな流れは以下のようになります。


① 撮像素子に当たった被写体の光は電子に変えられ、さらにアナログの電気信号に変換されます。

 
② アナログの電気信号は弱いため、増幅されデジタル信号に変換されます。

アナログの電気信号からデジタル信号に変換されることを「A/D変換」と呼ばれていますが、A/Dコンバータと呼ばれる装置によって細かい階段状のデジタル信号に変換されます。

この変換されたデジタル信号は、RAWデータ(生データ)と呼ばれ、目で見ることは出来ません。

そこで見ることが出来るように変えてやる必要があります。

見ることが出来るデータとして処理するのが、画像処理回路となります。


③ デジタル信号は画像処理回路に送られ、可視可能な画像のデジタル信号に変換されます。

画像処理回路では、ホワイトバランスやコントラスト、色合いなどの画像処理が行われます。

これによって目で見ることが出る画像データとして完成します。

私たちが撮影後にカメラの背面の液晶モニターで見ている画像は、上記の画像処理回路で画像処理された画像になります。

画像処理された画像は、一時的にカメラ本体の「バッファメモリー」と呼ばれる記憶回路に画像データとして記録されます。


④ バッファメモリーに記録された画像データは、撮影状況やカメラ内部の電気回路の作動状況の合間をみながら記録メディアに転送して保存されます。

以上の処理が、デジタルカメラの中でシャッターを切るたびに高速で処理されています。

ICの処理能力

上記の一連の処理スピードの能力が、カメラの性能にも大きく影響を及ぼしています。

上記の処理の2番目のアナログ信号をデジタル信号に変換することを「A/D変換」

といいますが、この処理を行う部品を「A/Dコンバータ」といいます。

アナログ信号では、画像の明るいところから暗いところまで滑らかに自然につながっていますが、デジタル信号ではそのつながりをひとつひとつの階段状につなげていきます。


したがって、その階段の段差が出来るだけ小さいほうが、画像として見たときに、よりなめらかに、シャープに見えます。

「A/D変換」によって階段状に変換された信号の内、最も明るい信号と最も暗い信号の差が、ダイナミックレンジと呼ばれているものです。


画像として見ることができるデジタル信号に変換を行う画像処理回路は、主にIC(集積回路)によって構成されています。

最近のデジタルカメラは画素数が多くなっており、その分データ量は多くなり、性能を向上させるには処理スピードをより早くする必要があります。

処理速度のスピード化と同時に求められるのが、出来上がった画像の美しさです。

そのために、より速い処理能力と出来上がりの美しさを持つICが開発されています。

また、処理能力を向上させるために、カメラの中に複数個のICが搭載されているものもあります。


画像処理回路での画像処理の過程では、それぞれのメーカーが考える美しさに対する考え方の違いなども反映されます。

したがってフィルムカメラの写真の出来上がりが現像所によって違いがあるのと同様に、デジタルカメラの場合にも、メーカーによって出来上がりの特色が出てきます。


画像処理回路の開発に各カメラメーカーは力を入れており、独自の技術によって開発された専用のIC(集積回路)が使われています。

この専用のIC(集積回路)は、画像エンジンや画像処理エンジンと呼ばれ、各メーカーで独自の名称を付けています。

たとえばキヤノンのDIGIC、ニコンのEXPEED、ソニーのBIONZ X、オリンパスのTruePic、パナソニックのヴィーナスエンジンなどが画像処理エンジンと呼ばれているものです。

バッファメモリーの処理能力

デジタルカメラでの処理の流れの中で、画像処理回路で見ることが出来る画像に変換されたデジタルデータは、記録メディアに保存される前に、一時的にカメラの中に記録されます。

このときに使われるのがバッファメモリーと呼ばれる記憶回路です。

なぜ直接記録メディアに書き込んで保存されないのかといいますと、記録メディアへのデータの書き込みには時間がかかり、撮像素子での処理能力より時間がかかってしまいます。

その結果、高速での連写が出来なくなってしまいます。


したがって、記録メディアに書き込む前に、保存処理速度の速いバッファメモリーに一時的に記録させ、撮影の合間や回路の状況を見ながら記録メディアに転送保存されます。

よって、デジタルカメラの連写速度や連写枚数は、バッファメモリーの処理速度の能力と容量によって大きく影響されることになります。

記録メディアは、デジタルカメラで撮影したデジタル画像データを書き込んで保存するためのものです。


この記録メディアには何種類かありますが、使用されているのは、コンパクトフラッシュカード(CFカード)SDメモリカードと呼ばれているものです。

現在はSDメモリカードが主に使われいます。

デジタルカメラによって、どちらのカードが使えるかは決まっていますが、両方使えるデジタルカメラもあります。


デジタルカメラの基本的な構造

デジタルカメラの基本的な構造について、デジタル一眼レフカメラとデジタル一眼カメラを例にご紹介します。

デジタル一眼レフカメラとデジタル一眼カメラの違いは、ミラーが有るか無いかの違いです。

ミラーは反射鏡として使用されており、反射鏡はレフレックスと呼ばれることからレフレックスのレフを取って、一眼レフカメラと呼ばれています。

一眼カメラはレフが有りませんので、ミラーレスカメラとも呼ばれています。

デジタル一眼レフカメラ

デジタル一眼レフカメラの基本的な構造は以下の図のようになっています。

一眼レフカメラは、フィルムカメラが使われていた時から主力のカメラの基本構造として長い間使われています。

撮影レンズを通ってきた光は、メインミラーによって上方に反射され、さらにペンタプリズムによって2度反射してファインダーで見ることができます。

メインミラーに当たった光の一部は、とおりぬけてサブミラーによってAF機構や測光部に届き、ピントあわせと測光が行われます。


ファインダーで被写体を確認するときは、上記のようにミラーによって反射された像で確認します。

シャッターを切るときだけミラーをはね上げて、撮像素子に光をあてて写します。

このようにデジタル一眼レフカメラは、実際の被写体の像をミラーによって見ることができます。

しかしミラーやペンタプリズムを装着する分のスペースが必要となり、ボディが大きくなりまた重量も重くなってしまいます。

デジタル一眼カメラ

デジタル一眼カメラの基本的な構造は以下の図のようになっています。

デジタル一眼カメラは、ミラーレスカメラとも呼ばれており、一眼レフカメラからミラー、ペンタプリズム、AF機構の部品を取り除いた構造となっています。

レンズを通ってきた被写体の光は、撮像素子にあたり、目で見ることができるデジタル画像に変換されます。

したがって背面の液晶モニターや電子ビューファインダーで像を見ることができるようになっています。


デジタル一眼カメラは、ミラー、ペンタプリズム、AF機構の部品がないため構造がシンプルでボディを小型化、軽量化することができます。

ただ液晶モニターや電子ビューファインダーで見ている像は、実際の像ではなく、電気的に画像化された像です。

実際の色とは多少ちがったり、動きのはやい被写体の場合に多少のタイムラグが生じることがあります。


デジタル一眼カメラは、常に撮像素子に光があたっている状態ですが、写真として記録して保存されるのは、シャッターを切った瞬間だけになるようになっています。

コンパクトデジタルカメラも基本的な構造はデジタル一眼カメラと同じですが、レンズ交換をすることができません。

デジタルカメラの詳細な仕組みと構造

ここからはデジタルカメラの詳細な仕込みと構造について、写真ができるまでの順番に沿ってご紹介します。

レンズの仕組みと構造

フィルムカメラや現在のデジタルカメラでは、レンズは無くてはならない大変重要な部品です。

しかしカメラの起源とされる「カメラ・オブスクラ」や小型化されたピンホールカメラではレンズは有りませんでした。

「カメラ・オブスクラ」は、人間が入ることのできる大きな部屋の片方の壁に小さな穴をあけ、反対の壁に写し出された外の風景の像を目で見ることができました。

ただ移動して持ち歩くことができないため、考え出されたのがピンホールカメラです。


「カメラ・オブスクラ」に開けられた穴は小さな穴です。

小型化されたピンホールカメラは、さらに穴を小さくする必要があります。

はっきりしたシャープな像を写し出すには、穴は小さくする必要があります。

穴を大きくすると、写し出される像はぼやけてしまうからです。 

上記の図は「カメラ・オブスクラ」を模式的に描いたものです。

たとえば1本の木があった場合、当然ながら木の光は四方八方に飛びますが、その内の小さな穴をすり抜けた光だけが反対の壁に像として写ります。

次に開けられた穴が大きい場合はどうでしょうか。

木のてっぺんの部分だけを考えてみた場合でも、穴が大きいと、広い範囲に木のてっぺんの像が写し出されます。

広い範囲に同じ像が写し出されてしまいますので、結果的に写し出された像はぼやけてしまいます。

したがって穴は出来るだけ小さいほうが、はっきりした像が写し出されます。

「カメラ・オブスクラ」の場合は、大きな部屋を利用しましたので、見ることができる大きな像を写すことが出来ました。


しかしピンホールカメラの場合は、持ち運びができるくらいに小さくしましたので、

写し出される像も極めて小さくなり、光も少ないため人間の目でははっきり見ることが出来ませんでした。

 できるだけ沢山の光を取り入れて、その光をぼやけないように1点に集中させることができれば、明るいはっきりした像を見ることができると考えたのです。

そこで考え出されたのが、光の屈折を利用したレンズだったわけです。

レンズの一番の役割は、多くの光を取り入れて一点に集中させることなのです。


皆さんもよくご存知の虫眼鏡は、凸レンズの屈折を利用して物を燃やすことが出来るくらいに太陽の光を一点に集中させることができます。

カメラのレンズもこの凸レンズの屈折を利用したものです。

レンズから一点に集中させたところまでの距離が「焦点距離」と呼ばれるものです。


実際のカメラでは、レンズは凸レンズ一つではなく多くの種類のレンズが使われています。

凸レンズ一つだけですと、レンズの周囲で像がぼやけたり、歪んでしまったり、色がにじんでしまったりと、いろいろな問題が生じてしまいました。

このような多くの問題を「収差」と呼んでいますが、多くのレンズを使うことによって一つ一つの収差の問題を解決しています。


撮像素子の仕組みと構造

撮影レンズを通ってきた被写体の光は、最初に撮像素子に当たります。

光を受けた撮像素子は、光を電気に変換します。

撮像素子は、「画素」と呼ばれている大変小さな受光素子で構成されています。

現在のデジタルカメラでは、1,000万画素から多いものでは1憶画素を超えるカメラもあります。

たとえば1,000万画素のデジタルカメラの撮像素子は、1,000万個の受光素子で構成されているということになります。


1,000万個の受光素子で構成された撮像素子に光が当たると、それぞれの受光素子は当てられた光の強さに応じたアナログの電気信号に変換されます。

受光素子自体は、光の強さは感じることができますが、色の区別は出来ません。

そこで色を区別できるように、受光素子の前にカラーフィルターが置かれています。

現在は色の三原色である赤、緑、青の3色を使った原色フィルターと呼ばれているフィルターが主に使われています。

ご存知のように、色の三原色である赤、緑、青の3色の組み合わせによって、全ての色が表現できます。


各受光素子は、受けた光のなかの赤、緑、青のどれか一つの色を電気に変えています。

それぞれの受光素子の色は一つですが、沢山集まって全体として見たときには全ての色が表現できた画像として見ることが出来ます。

また最近の受光素子は、単一の色だけではなく、周囲の受光素子の色の情報を元にして中間的な色も表現できるようになっています。

色の情報を得たアナログの電気信号は、A/D変換によってデジタルの電気信号に変換され次の画像処理回路に送られます。

画像処理回路の仕組みと構造

デジタルの電気信号を受け取った画像処理回路では、目で見ることができる画像データへの変換がおこなわれます。

この画像処理回路は、各メーカーが独自の技術による開発に力をいれており、画像エンジンや画像処理エンジン、映像エンジンなどと呼ばれています。

また各メーカーは、画像エンジンに独自の愛称を付けて呼んでいます。

先にご紹介しましたが、キヤノンのDIGIC(ディジック)、ニコンのEXPEED(エクスピード)、ソニーのBIONZ(ビオンズ)、オリンパスのTruePic(トゥルーピック)などです。


画像エンジンは、各メーカーの独自の技術が取り入れられていますので、メーカーの特徴が見られる部分でもあります。

画像処理回路では、送られてきたデジタルの電気信号をRAWデータとよばれる画像データに変換します。

RAWデータは、一般のソフトでは見たり利用したりすることが出来ないので、誰でも利用できるJPEGとよばれる画像データに変えられます。

現在では専用のソフトを使ってRAWデータを見ることが出来、JPEGに変換することも可能になっています。


また通常写真を撮る場合に、私たちは明るさ、コントラスト、ホワイトバランスなどの画像設定を行ないます。

また最近のカメラでは、画像にいろいろな効果を付けることが出来ます。

絵画調、グラフィック調、ビンテージ調、油彩風、水彩風、ジオラマ風などがあります。

これらの画像に加える各種設定や効果の作業は、画像エンジンがおこなっています。

また本来の目的である高解像度で高品位な画像をつくりだしたり、露出制御も画像エンジンがおこなっています。


高画素化による大量のデータを高速で処理するために、画像エンジンでは集積回路(ASIC)が用いられており、まさにちっちゃいコンピュータと言えます。

各メーカーは、高画質で高速な処理ができる高性能な画像エンジンの開発に力をいれており、複数の画像エンジンを搭載して実現しているカメラもあります。

記録メディアの仕組みと構造

画像処理回路で最終的にできあがった画像データは、バッファメモリーと呼ばれるカメラ本体の一時的な記憶回路に記録されたあと、記録メディアに転送して保存されます。

記録メディアに記録された画像データは、取り出していろいろと活用することができます。

記録メディアとして使われているものは、フラッシュメモリーと呼ばれるものです。

その中で、コンパクトフラッシュSDメモリーカードが主に使われています。

現在ではSDメモリカードが主に使われています。


フラッシュメモリーは半導体によって作られており、この中に電気を蓄えたり放出したりすることでデータを記録して保存しています。

また蓄えられた電気の量を読み取ることによって、データの内容を知ることができる仕組みとなっています。

半導体の中に蓄えられた電気は、外部とは絶縁された状態で保存されているため、電源を切ったり、カメラから取り出しても無くならないようになっています。

したがってカメラから取り出して自由に持ち運びが出来、パソコンとつなげば保存されたデータの内容を見ることができるのです。

コンパクトフラッシュ

コンパクトフラッシュには、3.3mm厚のタイプⅠと5.0mm厚のタイプⅡがあります。

上記のコンパクトフラッシュはタイプⅠとなります。

表面には、転送速度、容量、高速化規格が表記されています。

UDMAは、最近よく使われている国際標準の高速化規格に基づく高速化技術で、メモリカードとカメラがUDMA規格で作られている場合は、高速転送が可能です。

初期の頃のデジタルカメラでは多く使われていましたが、現在では次にご紹介するSDメモリカードが主に使われています。

SDメモリカード

表面には、SDスピードクラス、容量が表記されています。

またSDカードの側面(上記写真では左側面のやや上側)には、誤消去防止スイッチがついています。

SDメモリカードには、SD、SDHC、SDXC の3種類あります。

それぞれのカードで最大容量が決まっており、SDは2GB、SDHCは32GB、SDXCは2TBとなっています。


またカメラによって使用できるカードが決まっていますので、カメラやカードを購入される場合は注意が必要です。

SDカード対応カメラ:使用できるカードはSDのみ。

SDHCカード対応カメラ:使用できるカードはSD、SDHC の2種類。

SDXCカード対応カメラ:使用できるカードはSD、SDHC、SDXCの3種類。


ファインダーの仕組みと構造

ファインダーには、光学ファインダーと電子ビューファインダー(EVF)があります。

ファインダーは、カメラの上部に付いているのぞき窓のことですが、撮影する画像や撮影情報を確認するのに使用します。

光学ファインダー

光学ファインダーは、一眼レフカメラに採用されているファインダーで、ミラーとプリズムによって、撮影レンズを通ってきた光をファインダーに導きます。

レンズを通ってきた光は上下左右が逆になっていますが、ペンタプリズムによって2度反射させることによって正常な見たままの像となります。

ペンタプリズムよりは若干性能が落ちますが、ペンタミラーを採用しているカメラもあります。

ペンタミラーは中空構造のため、軽量かつ製造コストが低く抑えられるのが特徴です。

なお光学ファインダーは、一部のミラーレスカメラにも使われています。

電子ビューファインダー(EVF)

電子ビューファインダー(EVF)は、ミラーやプリズムを持たないミラーレスカメラやコンパクトカメラに採用されているファインダーです。

電子ビューファインダー(EVF)の場合は、レンズを通ってきた光を見ているのではなく、撮像素子に当たった光を画像処理して作られた画像を見ています。

ファインダー視野率

ファインダー視野率とは、実際に撮像素子に映し出される範囲に対する、ファインダーで見える範囲の割合を示した数値です。

撮像素子に映し出される範囲とファインダーで見える範囲が同じ場合が視野率100%になります。

カメラによっては視野率が95%や90%となっているものがあります。

この場合は撮像素子に映し出される範囲の95%、90%がファインダーからは見えていることを示しています。

言い換えれば、ファインダーから見えている範囲より5%や10%ほど広い範囲が、実際には撮像素子には写っていることを表しています。


したがって実際の写真にした場合も、ファインダーで見た範囲より5%~10%ほど広い範囲が写っていることになります。

厳密に構図を決めて余分なものを写し込まないようにする場合は、気を付けておく必要があります。

100%未満の視野率は、光学ファインダーの場合に生じる現象で、電子ビューファインダーの場合は、撮像素子に映った像を画像処理していますので、視野率は100%となりますので気にする必要はありません。

ライブビュー撮影の仕組みと構造

ファインダーが装備されていないミラーレスカメラやコンパクトカメラでは背面モニターに像を写し出して写すことができます。

また一眼レフカメラの場合も、光学ファインダーを使って写す場合と、ライブビュー機能をつかって写す場合の両方を選択することができます。


ライブビュー撮影では、撮影レンズを通ってきた光を反射ミラーやプリズムで反射せず、直接撮像素子に当てて、画像処理回路で画像処理を行います。

画像処理された画像を背面のモニターに映し出して見ることができる仕組みとなっています。

背面モニターに映し出される画像は、ホワイトバランスや露出補正、その他の各種の画像設定が施された状態の画像となっています。

仕上がりの状態を確認しながら設定や調整ができるのが特長です。

また背面モニターに映し出された画像は、拡大して表示することもできます。

マクロ撮影などで狙ったポイントを拡大表示して、マニュアルフォーカスを使ってピントを合わせるのに有効に使うことができます。

オートフォーカスの仕組みと構造

各メーカーの技術の向上により、現在のデジタルカメラのオートフォーカスの性能は非常に優れています。

狙ったところに瞬時にピントを合わせてくれるので、私たちは撮影のみに集中して楽しむことができます。

オートフォーカスの仕組みには、位相差検出AFコントラスト検出AF像面位相差検出AFの3つのやりかたがあります。

位相差検出AF

位相差検出AFは、古くから一眼レフカメラに搭載されてきたオートフォーカスです。

レンズを通ってきた光はメインミラーで反射されてプリズムに導かれますが、一部の光は反射ミラーを透過してサブミラーによってカメラの底部に配置されたAFセンサーにあたるようになっています。

AFセンサーの前にはセパレーターレンズと呼ばれる複数のレンズが配置されています。

それらの複数のレンズを通った光の角度や像のズレを計測、被写体までの距離を計算してピントを合わせます。

位相差検出AF方式は、ピントを合わせるまでの時間が早いのが特長となっていますが、被写体によってはピントが合わせにくいものがあります。

コントラスト検出AF

コントラスト検出AFは、反射ミラーやプリズムを持たないミラーレスカメラやコンパクトカメラに主に採用されているAF方式となります。

コントラスト検出AFは、ピントが合うとコントラストが高くなることを利用した方法です。

撮影レンズを通ってきた光が当たった撮像素子で、像のコントラストが高いか低いかを測定してピントを合わせる方式となっています。

コントラスト検出AF方式は、ピントの精度が高く、しっかりとピントを合わせてくれるのが大きな特長です。

しかし撮影条件によっては、合わせるまでの時間が遅くなってしまう場合があります。

像面位相差検出AF

像面位相差検出AFは、位相差検出AFとコントラスト検出AFのそれぞれの特長を併せ持ったオートフォーカス方式となっています。

AFセンサーと撮像素子を合体させて、位相差検出AFのスピードとコントラスト検出AFの精度の良さの両方を実現させたAF方式です。


露出の仕組みと構造

露出とは、撮像素子に当てる光の量をいいます。

露出は、絞り、シャッタースピード、ISO感度の3つによって決められます。

フィルムカメラでは、フィルムの感度は変えられませんでしたので、露出の調整は絞りとシャッタースピードだけでした。

デジタルカメラが登場してISO感度が加わり、また最近の高感度化にともないISO感度の使い方で写真の出来上がりが大きく変わってきました。

露出を決定する3要素についてご紹介します。

絞り

絞りは、光が入ってくる窓の大きさを変えることによって光の量を調整するものです。

絞りは、数枚の絞り羽(しぼりばね)と呼ばれる薄い金属で作られています。

絞り羽の枚数は、カメラによって異なりますが、上記は絞り羽が8枚の場合の例です。

上記のように絞り羽を開けたり絞ったりして、入ってくる光の量を調節します。

一番大きく開けた状態の絞りを「開放絞り」、一番小さい絞りを「最小絞り」と言います。

一般的によく使われている絞りを数値にしたのが下記となります。

F1 F1.4 F2 F2.8 F4 F5.6 F8 F11 F16 F22 F32


絞り値は、数字の前に「F」を付けてあらわし、数字が大きくなるほど絞った状態になります。

また数字の範囲は、レンズによって異なっています。

上記の数字は不規則に並んでいるように見えますが、隣り合う絞り値の光の量は倍半分の関係になっています。

つまり1つ数字が大きくなると、光の量は半分となります。

シャッタースピード

シャッタースピードは、撮像素子に当てる時間を変えることによって光の量を調整します。

この光を当てる時間の調節は、シャッターに付いているシャッター幕の開閉のスピードを変えることによって調節しています。

一眼レフカメラに主に使われているフォーカルプレーンシャッターは、撮像素子の直前に配置されています。

フォーカルプレーンシャッターのシャッター幕は、薄くて軽い丈夫な素材で作られています。

複数枚のシャッター幕を一定の順番で高速に動かすことによってシャッターの開閉を行なっています。


シャッター幕が全開しているのは、ストロボ同調速度の1/125秒や1/250秒くらいまでです。

それより早いシャッタースピードを得るには、全開していたのでは得ることができため、すき間(スリット)を移動させることによってスピードを得ています。

たとえば下の図のような木を撮影する場合。

上記の図のように、シャッター幕は全開させず横長のすき間(スリット)を移動させることによって速いシャッタースピードが得られるようにしています。 

さらに高速シャッターにするためには、スリットの幅を狭くして、さらに高速に移動させれば、さらに高速なシャッタースピードが得られます。

スリットの幅を極限まで狭くし、超高速で移動させることによって、1/8000秒という高速なシャッタースピードが得られるのです。


シャッタースピードは、下記のように隣り合うシャッタースピードが倍半分の関係で変わります。

1  1/2  1/4  1/8  1/15  1/30  1/60  1/125  1/250  1/500  1/1000  1/2000  1/4000  1/8000秒


上記でご紹介したフォーカルプレーンシャッターは機械式シャッターですが、機械式にはレンズの中に配置されるレンズシャッターというのがあります。

また機械式とは別に、電子シャッターという電気的にシャッターを切ることができるものがあり、さらに高速なシャッタースピードが得られます。

ISO感度

露出を決める3つ目の要素がISO感度です。

ISOは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)の略で、ISOで定められた国際規格に基づいて製作された感度であることを示しています。

ISO感度は100を基準として、200、400 のように2倍づつ高くなっていきます。

感度が2倍になると2倍の量の光を当てたことと同じことになります。


撮像素子に当たった光は、アナログの電気信号に変えられ、さらにデジタル信号に変えられます。

アナログの電気信号は微弱なためデジタル信号に変換するときに増幅されます。

この「ぞうふくの幅」を変えることによって感度を調整しています。

ISO感度が100から200になることは、「ぞうふく幅」が2倍になることで、400になることは「ぞうふく幅」が4倍になることになります。

ホワイトバランスの仕組み

ホワイトバランスとは、白いものが白く写るようにする機能のことです。

写真を写すときの光の種類(光源)にはいろいろありますが、自然光の太陽光をはじめ蛍光灯、白熱電球、ろうそくの光などの人口光があります。

同じ白い色の紙でも光の種類によって見え方が少し違っています。


蛍光灯の基で見た場合は少し青っぽく見えますが、白熱電球やろうそくの光では少し赤みを帯びて見えます。

昼間の晴れた太陽光の基で見た場合が、一番元の色に近く見えると言われています。

できるだけ本来の元の色に見えるように調整する機能が、ホワイトバランスの機能になります。


光の3原色というものをご存知でしょうか。

赤、緑、青 の3色を光の3原色といいますが、それぞれの色の光を白い紙に当てますとそれぞれの色に見えます。

3色の光が当たった部分は、元の白い紙の色に見えます。このことから光の3原色といいます。


上記の場合は3色でしたが、2色の場合も元の白い紙の色に見える光の色の組み合わせがあります。

この場合の光の色の関係を「補色」といいます。

つまり補色の関係にある色の光を混ぜると、本来の元の色に近い色に見えます。


ホワイトバランスの機能はこの性質を利用したもので、補色の関係にある色の光を加えることによって本来の色に近い色に見えるようにしています。

赤みを帯びた光源の場合は、青みを帯びた光を加えることによって本来の色に近くなります。

手ブレ補正の仕組みと構造

手ブレとは、シャッターを切るときに体が動いたり、カメラを動かしたりしてブレた写真になってしまうことです。

しかし最近のデジタルカメラでは、技術の進歩によってブレを補正する優れた機能により、大きな手ブレは起こらないようになっています。

手ブレ補正機能とは、カメラボディやレンズ内に組み込まれたセンサーにより、カメラのブレを感知して、一部のレンズや撮像素子をブレを打ち消す方向に動かしてブレを補正する優れた機能です。

手ブレ補正の主な方法は、ニコンやキヤノンが採用しているレンズシフト式手ブレ補正方式とソニーやオリンパスが採用しているイメージセンサーシフト式手ブレ補正方式の2つの方式となっています。

レンズシフト式手ブレ補正

レンズシフト式手ブレ補正は、レンズの中に組み込まれた特別なレンズを、感知したブレを打ち消すように動かして、光の進む方向を修正してブレを補正するものです。

手ブレ補正機能をONにしてシャッターボタンを半押しすると、機能が働き見事にブレが補正されるのを確認することができます。

構図を確認しながら同時にブレの補正状況のタイミングを見てシャッターを切ることができる点がメリットといえます。

ただしレンズシフト式の場合は、この機能を使うためには使用するレンズの全てに補正機構を組み込む必要があります。

その分レンズ自体が大きく重くなり、また価格も高価になります。

イメージセンサーシフト式手ブレ補正

イメージセンサーシフト式手ブレ補正は、撮像素子を動かしてブレを補正するものです。

イメージセンサーシフト式の場合は、補正機構はカメラ本体に組み込まれていますので、使用できるレンズの全てが補正機能を利用できるのが大きなメリットです。

ただしファインダーで補正を確認して撮影することはできません。

 背面の液晶モニターで画像を見ることができるカメラの場合は、液晶モニターで確認できます。

まとめ

フィルム式カメラが使われていた時は、写真を撮ること自体がそれほど簡単ではありませんでした。

しかしデジタルカメラの時代になって、多くの便利な機能が開発され、一般の私たちでも比較的簡単に写真を写すことが出来るようになりました。

難しい設定は全てカメラまかせにすることも出来ますし、慣れた方は自分自身で設定することもできます。

デジタルになって写真自体の利用範囲も格段に広くなりました。

ぜひデジタルカメラを楽しんでください。 

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この記事を書いた人

DIYアドバイザー、フォトマスター2級、コーヒーコーディネーター
(趣味)
DIY、釣り、写真、スケッチ、旅行、山登り、キャンプ

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