木材の反り防止と板や天板の反り止めのやり方。

木の板というのは、自然のままに放置していると、反りが生じたり、ねじれたり、割れたり等の変形が生じます。

幅の広い天板や集成材は反りが生じやすくなります。

変形の中の大きな部分を占めている「反り」について、反り防止の方法や反り止めのやり方についてご紹介します。

                              りょう(DIYアドバイザー)

目次

反り防止の加工方法

反りへの対処方法を行っても、環境(湿度、温度)の変化によって反りを完全に防ぐことは出来ません。

したがって製作の段階で反り防止の措置が不可欠となります。

反り防止のための加工方法についてご紹介していきます。


家具等の木工品もいろいろありますが、タンスやチェストといった箱物の家具においては、最終的に箱状に組まれています。

それだけで反り防止の効果がありますので、特に反り防止の措置は必要ありません。


反り防止の措置が必要になってくるのは、幅の広い板材を単体で使用する場合ですが、それは、テーブルやデスクの天板になります。

テーブル、デスク、カウンターなどの天板は幅の広い板材を使用しますので、ただそれだけを置いておきますと間違いなく高い確率で反りが生じます。


ただ、天板はそれだけで宙に浮いているわけではありませんので、必ず天板を何らかの方法で固定して使用します。

天板の下に脚を取り付けたり、壁に取り付けたり、何らかの受け材を使用します。

その段階で反り防止の措置を行う必要があります。

加工方法のポイント

反り防止の加工を行う場合、常に意識しておかなくてはいけない重要なポイントがあります。

「反りのメカニズム」でご紹介していますが、板材は常に膨張、収縮を繰り返しています。

その結果として反りが生じます。


塗装することによってある程度は膨張、収縮を止めることは出来ます。

しかし塗装してもある程度は湿気を通しますので完全には膨張収縮は止められません。

したがって、加工方法のポイントは、膨張収縮は止めようとせず、反りだけを止める

という加工方法を行うことです。


反り防止の加工を行う場合は、上記の事を常に意識しながら行ってください。

無理に膨張収縮を止めますと、天板の巾方向に強い力が加わり、結果として天板が割れます


天板の反り防止のための加工方法としては、おおむね以下のような方法があります。

1、桟を取り付ける。
2、幕板に取り付ける。
3、箱状の台に取り付ける。
4、壁に取り付ける。

桟を取り付ける

天板は「反りのメカニズム」でご紹介していますように下記の図のように巾が反ります。

20155231

これを防止するには巾方向に平行に天板の下側に数本の角材を取り付けます。

角材の取り付け方法としては、主に次の3つの方法が有ります。

(1)ホゾ、ミゾ(蟻ミゾ)をつけて、取り付ける。
(2)駒止め金物で取り付ける。
(3)木ネジで取り付ける。

(1)ホゾ、ミゾ(蟻ミゾ)をつけて、取り付ける。

20155232

天板の下側には、底が広がった形をしたミゾ掘ります。

反り止めには、同じ形をした先が広がったホゾを付け、天板の側面より差込みます。

下記の図が、反り止めを取り付けた状態です。

20155233

一般的なテーブルの天板の場合は、角材は2~3本くらいですが、この角材が、天板が反ろうとする力を防ぎます。

2~3cm以上の厚みを持った天板の反る力はけっこう強いので、あまり小さな角材では意味がありません。

少なくとも天板の厚みより大きな角材が必要になります。

角材の長さは出来るだけ天板の巾と同じくらいになるようにした方が効き目はあります。

sori11[1]

ホゾ、ミゾ(蟻ミゾ)をつけて、取り付ける方法の場合、

上図のように、蟻ミゾの深さは天板の厚みの1/3~1/4程度とします。

蟻形の角度(蟻勾配)は、70°~75°を標準としてください。


上記の図を見ていただいてお分かりのように、ミゾの底が広がった形となっていますので、外れることはありませんので、接着剤は使用してはいけません

接着剤を使用していませんので、天板は自由に膨張収縮することが出来ます。

反り止め材の角材によって反りが防止されることになり、桟を使用して反りを防止する加工方法の理想的な方法となります。

接着剤で接着させると、天板の巾方向の膨張、収縮が妨げられ、木口割れの原因となりますので、接着材は絶対使用してはいけません


(2)駒止め金物(アングル天板止)で取り付ける。

上記で書きました「(1)ホゾ、ミゾ(蟻ミゾ)をつけて、取り付ける」方法は、傾斜のついたミゾとホゾの加工が必要となります。

トリマーやルーターなどの正確なミゾ加工が出来る工具と加工技術が必要になります。

簡単な方法として駒止め金物を使って桟を取り付ける方法があります。

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上の写真が駒止め金物です。

駒止め金物は、アングル天板止という名称でも販売されているようです。


駒止め金物(アングル天板止)は下記からご購入出来ます。

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駒止め金物は1辺が2cm程の小さなL形の金物です。

片方には丸いネジ穴が2個、もう片方には小判型の長穴が開いています。

小判型の長穴には、横穴(写真左側)と縦穴(写真右側)の2種類あります。

sori13[1]

この駒止め金物を使って反り止めの角材を取り付ける場合は、上の図のように、

2つの穴を反り止めの角材に、1つの長穴を天板側 に取り付けるようにします。


長穴にしてある理由は、天板の巾方向の膨張、収縮に対応するためですので、この場合は上の写真の左側の横穴を使用してください。

上の図の場合は、1本の反り止めの角材の片側に4個取り付けています。

反対側(内側)も同じ個数必要ですので、1本の角材に8個使用していることになります。

20155251

上の写真は実際に取り付けたものです。(天板の裏を上に向けています。)

上の写真では1本の角材の片側に5個、両側で10個となります。

今までの私の経験では、1本の角材に10個も取り付ける必要はありません。

箇所でいえば両端と中央の3箇所、個数でいえば6個で十分と思います。


駒止め金物を取り付ける場合は木ネジを使用します。

反り止めの角材側の2個の丸穴はしっかりと締めて取り付けて良いですが、天板側の長穴の木ネジは緩めに取り付けてください。

天板が膨張収縮した時に木ネジが滑らないといけませんので、あまりきつく取り付けますと滑らなくなります。

長穴にしている意味がなくなってしまいます。


多少ガタツクくらいがちょうど良いです。

木ネジについては、木工でよく使われているコーススレッドが効きが良いのでオススメです。

(3)木ネジで取り付ける。

この方法は、反り止め材の角材の下から天板に向けて木ネジで留める方法です。

この場合も、天板の巾方向に対しての動きを妨げないようにする必要があります。

sori15[1]

反り止めの角材を木ネジで取り付けるには、上図のように、角材の下側から上側まで貫通した巾方向に長くなった小判型の長穴を開けます。

そしてこの長穴の下側から天板に向けて木ネジで留めます。

sori17[1]

上図は長穴の部分を拡大した図ですが、巾方向に長穴を開けておけば、巾方向の膨張収縮に対応することが出来ます。

木ネジは反り止め材の下側から天板に向けて打ちますので、木ネジの長さは、そり止め材の厚み+天板の厚みの半分くらいの長さが必要になります。

木ネジは、駒止め金物を使って取り付ける要領と同じく、あまり強く締め付けず、緩めにして木ネジが動けるようにしてください。


すべりを良くするためにワッシャーをかませて打つと良いでしょう。

また、木ネジの先端が天板の上から飛び出ないように木ネジの長さに気をつけてください。


なお、反り止めに使用する材料は天板と同じ木の角材である必要はありません。

丈夫で、反りの力によって曲がらないものであれば良く、金属製のものを使っておられるところも多いようです。

金属製のものを使う場合は、木よりも断面は小さなものでも効果があります。


金属製の場合は、断面形状は平べったいものではなく、L型か、ロ型、コの字になっていれば曲げに対して強い抵抗力を発揮します。

この場合も、金属に開ける木ネジの穴は、丸穴ではなく、巾方向の長穴にしてください。


幕板に取り付ける

次に幕板に天板を取り付けて、反りを防止する加工方法についてご紹介します。

一般的な4本脚のテーブルの場合、脚を固定するのに下の図のように足と足の間に板を渡して足を固定します。

この足と足の間に渡された板のことを「幕板」と言いますが、

この幕板は丈夫ですので、幕板に天板を固定することによって反りを防止することが出来ます。

sori16[1]

幕板と天板の取り付け方法には次の3通りの方法が有ります。

(1)駒止めを使用する。
(2)駒止め金物を使用する。
(3)木ネジを使用する。

(1)駒止めを使用する。

「駒止め」というのは木製の小さな駒で、天板の裏側に取り付けます。

取り付ける際に幕板に開けられた溝に片方が差し込まれています。


幕板に開けられたミゾと差し込まれた駒止めとの間に余裕が設けられており、天板の膨張、収縮に対応出来るようになった合理的な工法です。

ただ、駒止めを使う工法は、一般の方には細工がちょっと難しいので、次に説明する駒止め金物を使用するのが簡単です。

(2)駒止め金物を使用する。

桟を取り付けるときに使用したものと同じ駒止め金物を使用して幕板と天板を固定します。

sori18[1]
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上の図の場合、幕板は長手方向が2本、短手方向が3本あります。

駒止め金物の長穴が天板の巾方向と平行になるようにしないといけません。

長手方向の幕板には駒止め金物の縦穴、短手方向の幕板には駒止め金物の横穴を、取り付けます。

(3)木ネジを使用する。

幕板と天板を木ネジを使って固定しますが、角材を使う場合と同様に、幕板の下側から木ネジを打って固定します。

この場合も、反り止めの角材を木ネジを使って固定する場合と同様に、木ネジの穴は巾方向に長穴にします。

幕板の高さ(巾)が高くて下側から木ネジを打つのが難しい場合は、幕板の内側の側面から斜めに天板に向かって木ネジを打つ方法もあります。

箱状の台に取り付ける

皆さんもご存知のように、四方を板で囲まれた箱は大きな強度があり、よほどの大きな力が加わらない限り、変形を生じることはありません。

この箱状の台に天板を取り付けることによって反りを防止することが出来ます。

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箱状の台と天板を取り付けるには、一番簡単なのは駒止め金物を使う方法です。

箱の内側から木ネジが打てれば木ネジでも良いでしょう。

また、箱状の台に邪魔にならないように天板に角材を取り付けることが可能であれば、台と天板とは固定せずに、角材を取り付けることによって反りは防止できます。

壁に取り付ける

天板やカウンターの両側に壁がある場合は、天板の両側を壁に固定することによって反りを防止することが出来ます。

天板を取り付けるには、天板を受ける角材が必要になります。

住宅の施工段階で分かっていれば壁の中に角材を取り付けて、その上に天板を乗せて固定することが出来ます。


出来上がった壁に天板を取り付ける場合は、天板を受ける角材か何かを壁に取り付ける必要があります。

取り付けるためには、壁の内側にしっかりした下地材が必要になります。

角材と天板との取り付けは、駒止め金物か木ネジでの取り付けとなります。


反りへの対処方法

一般的なホームセンター等で販売されている無垢の板材は板目材が多くなりますのでどうしても反りが生じやすくなります。

また集成材の場合も、小さな角材の集まりですので、無垢板ほど大きな反りは生じませんが、それでもやはり無垢板の集まりです。


湿気を吸ったり吐いたりしますので、反りは生じます。

そこでここからは、反りを生じにくくする為の木の取り扱いについてご紹介します。

保管上の留意点

●風雨にさらされる場所、直射日光があたる場所は避ける。

●地面に直接置かない。

●梱包を開けたら長時間放置しないで、出来るだけ速やかに施工する。

木材の保管に一番良いのは専用の倉庫ですが、一般の方には無いと思いますので、室内に保管し、外には放置しないようにしましょう。

最近はネットで木材や集成材を購入される方も多いと思います。

到着後商品の確認が終わられましたら、再度、梱包されていたダンボールで包み、直射日光があたらない室内に保管してください。

正しい施工方法

(1)雨天時の施工はできるだけ避ける。

(2)常時水のかかるところや湿気の多い場所では使用しない。

(3)塗装する場合、表裏とも塗装しバランスをとる。

(4)木口はペーパーで仕上げてから3回以上塗装する。

(5)モルタルなど乾いてない部分への施工は避ける。

(6)反り防止のための吸付き桟等をとりつける。


テーブルの天板などの場合、裏側は見えないから塗装しなくても良いというのは間違いです。

表と裏の表面の状態のバランスが違うと水分の吸収、放出のバランスが崩れ、反りの原因となります。

裏側はキレイに仕上げる必要はありませんが、表側と同じ程度に塗装をおこなってください。


また両方の木口部分は目には見えませんが、水分が通っていたときの小さな穴が沢山あります。

湿気が吸収されやすいので入念に塗装を行ってください。

反った時の対処方法

(1)反ってしまった場合は、反った時の上下(表裏)を逆にして、しばらく置いてみて下さい。

   この方法でおおむね元の状態に戻ります。

(2)上記の方法でも戻らない場合は、強制的にクランプ等ではさみ固定するしか方法は有りません。


反りのメカニズム

含有水分

ご存知のように、木の板というのは、もともとは山に生えていた木を伐採して、製材をして、板として使用しているものです。

木は植物ですから山に生えているときは、地中から水分を吸収しており常に体内に大量の水分を含んでいます。

山に生えていた木を伐採をしますと、木は地中から水分を吸収することが出来なくなります。


製材した板は、当然ながらそのままにしておきますと乾燥によって木の中から水分は徐々に抜けていきます。

乾燥して水分が抜けていくことによって、ある一定の含水率以下になりますと木材は収縮を起こします。

そしてある一定の含水率(気乾含水率)に達すると安定します。

日本の場合は四季があり、それぞれの季節によって、大気中の温度や湿度の条件は変化します。


梅雨の湿度の高い時期では、木は湿気を吸って膨張し、秋、冬の乾燥期には、湿気を吐き出し収縮をおこします。

したがって木は1年中、湿度の変化によって湿気を吐いたり、吸ったりを繰り返します。

そのたびに木は常に膨張、収縮を繰り返していることになります。


現在の住宅ではあまり使用されなくなっていますが、フスマや障子が夏と冬ですべりが違ってきます。

精度の良いタンスやチェストなどの引き出しが、湿度の変化によって、すべりが良くなったり悪くなったりします。

この現象は湿度の変化によって、フスマや障子やタンスやチェストの木の部分が湿気を吸ったり吐いたりすることによって、膨張したり収縮したりすることによって起こります。


上記の例で示したフスマや障子やタンスやチェストなどは、製品として出来上がったものです。

しっかりと部材同士が組まれていますので、膨張、収縮は起こしますが、目で見て分かるような反りは起きません。


木が反りを起こすのは、一つの木の板がフリー(何の力も加えられていない自由な状態)の状態にあるときに起きます。


特にテーブルなどの天板に使用する広い巾の板は、何も力を加えず、梱包もしないで、そのままで大気中に置いておくと大きく反りが生じてしまいます。

つまり、木の板の「反り」は、フリーの状態の時に、湿度の変化による膨張収縮によって生じます。

異方性

では、なぜ膨張、収縮を起こすと、反りが生じるのでしょうか。

それは、一言で言えば、木の特質の一つである「異方性」にあります。

異方性とは、方向や場所によって性質が異なっているということです。


異方性とは反対に、方向によって性質が同じ場合は、「等方性」といいます。

金属、プラスチック、ガラス等は方向や場所によって物質の違いはありませんので、性質は同じと考えられますので等方性の物質といえます。


木材が異方性の物質である理由についてはお分かりのように、木材は植物です。

自然界で出来上がったものですので、木材の構成物質は私たち人間と同じ小さな細胞の集合体です。

植物の細胞は、ある一定の規則性はありますが、方向や場所によってその性質は大きく変わってきます。


木材の細胞の性質は、それぞれのいろいろな木によって違っていますし、1本の木の内部でも場所によって異なってきます。

木の板の反りに影響を与える木材の性質の違いの一番の要因は、膨張、収縮率の違いです。

等方性の物質であれば、膨張収縮が起きた場合は、単純に膨れるか縮むだけです。

しかし異方性の物質の場合は、膨張、収縮率の違いによって反りが生じてしまいます。


収縮率の違い

では、木材はどのような方向によって収縮率が違っているのでしょうか。

この事を考える場合、木材の持っている大きな特徴である年輪と木材繊維を基準に次の3方向で考えます。

1、垂直方向:繊維方向
2、接線方向:年輪と接する方向
3、放射方向:年輪に直行する方向

下記の図は、丸太の木口と側面の図ですが、次の3方向となります。

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一般的な板の場合ですと次の3方向となります。

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1、垂直方向:繊維方向

垂直方向は木材繊維の方向となりますが、木材は成長の過程で上下方向(長さ方向)に木材繊維を形成しながら成長します。

2、接線方向:年輪と接する方向

年輪は完全な真円ではありませんが、おおむね中心から同心円に外側に向かって形成されますが、接線方向はその年輪と接するような方向となります。

3、放射方向:年輪に直行する方向

放射方向は、年輪の中心(木材の芯)を通る方向となります。


上記の3方向の収縮率の比は、これまでの多くの木材による実験結果から、平均的な数値として次のような数値が得られています。

垂直方向:接線方向:放射方向=1:10:5 となっています。

つまり上記の木の板材で見た場合、収縮が起きたとき、長さ方向には僅かしか縮みませんが、接線方向には放射方向より2倍縮むことになります。


収縮率の違いにつきましては、下記の動画でも詳しくご紹介しています。

板は木表側に反る

板が乾燥して水分を放出した場合、長さ方向には若干ちぢみ、巾方向には上面が下面より2倍多く縮むことになります。

よって、板の巾方向は上面の木表側が凹型に反ることになります。

図で書きますと以下のようになります。

20155213

逆に湿気を吸って膨張した場合は、下記の図のように木表側が膨らむように反りが生じます。

20155215

上記の板材は、下面がちょうど木の中心(芯)を通るように書いていますが、一般的な木取りの場合は、木の芯は避けて(芯去り材)木取りをします。


放射方向から接線方向への収縮率は段階的に変化すると考えられています。

木の芯を含んでいない板材(一般的な板目材)の場合も、木裏側がより放射方向に近いと考えられますので、同様の反りが生じます。

一般的な板目材の場合も乾燥すると木表側が凹むように反りが生じます。

20155221

それでは、柾目材の場合はどうでしょうか。

柾目材は木の芯を通るように木取りをした板のことですが、実際には芯は除かれますので下記のような板材となります。

20155222

上記の板は柾目材ですが、木の芯は板の右側の先にあります。

この場合は、板の上側と下側は放射方向から同じ距離になりますので、収縮率も同じとなります。

したがって反りは生じにくくなります。


以上のことから、板目材は反りやすい板、柾目材は反りにくい板 ということになります。


まとめ

反りのメカニズムと反り防止の加工方法について述べてきましたが、天板のような巾の広い板は、反り防止の措置を行わないと反りは生じます。

反りの大きさの程度ついては事前には分からず、天板を作ってみないと分かりません。

大きく反りが生じる場合もあれば、少しの反りの場合もあります。


天板の上に重いものを乗せて使用する場合は、その重さによってある程度反りが抑制される場合もあります。

少しの反りで、天板としての用途に支障がなければ、無理に反り止めの措置を行う必要はありません。

もしあとからでも反り防止の措置を行うことが可能であれば、とりあえず反り防止の加工は行わず、様子を見てから判断するのも良いでしょう。

反りについてあまり神経質になっても楽しくないので、まずはいろいろ作ってみて楽しみましょう。


天板に使用する木工用木材、集成材につきましては下記ページにまとめてありますので、こちらもチェックしてみて下さい。

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この記事を書いた人

DIYアドバイザー、フォトマスター2級、コーヒーコーディネーター
(趣味)
DIY、釣り、写真、スケッチ、旅行、山登り、キャンプ

コメント

コメント一覧 (4件)

  • とても勉強になりました。
    質問できるなら教えて頂きたいのですが。。。
    無垢の一枚板のカウンターを作成するにあたり、木裏を上にする場合も反り止めは必要でしょうか?
    反り止めには吸い付き蟻桟で施工しようと考えています。

    • 村上様。

      お世話になります。
      お問い合わせを頂きまして有難うございます。

      反りが出るか出ないかは、実際に作ってみないと分かりません。
      出た場合も反りの出方にも大小があります。

      木裏を上にしていただければ、出たとしても出方は小さいと思います。
      念のためにも反り止めは付けておいた方が良いかと思います。
      よろしくお願いいたします。

      • ありがとうございます。
        裏表どちらを使用するにしても反り止めはつけようと思います。
        反対側は使えなくなりますが後悔しないよう吟味したいと思います。

        • ご連絡いただき有難うございます。

          通常は、どちらかの面を上にして、下側の面に反り止めを付けますが、
          もし可能であれば、様子を見ながら取り付ける、あるいは取り付けない、というやり方もあります。

          まずは、反り止めを付けないで片方を上にして使用してみます。
          そのうえで、もし反りが生じたら、上下をひっくり返して使用します。
          そうすると、反りは戻り、今度は再度逆に反りが生じようとします。

          これを繰り返しながら使用します。
          これは反りの出方が小さい場合や、反りが生じても、使用に支障がない場合のやり方です。

          どうしても大きく反りが生じるようであれば、基本的には裏側を上にして
          下側に反り止めを付けます。

          使用してみて、後からでも反り止めが付けられるのであれば、
          このような方法も一つのやり方です。

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