【DIY】障子紙のアイロンを使った張り替えの方法。
アイロン障子紙は、熱を加えることによって溶けて接着する
ホットメルトと呼ばれているノリを使用しています。
剥がすときも熱を加えることで簡単に溶けて剥がすことが出来ます。
熱は一般家庭にあるアイロンを使って出来ます。
手軽で簡単に障子紙の張り替えが出来るアイロン障子紙の
貼り換え方法についてご紹介します。
この記事を書いた人 山根良治 DIYアドバイザー |
この記事の目次
アイロン障子紙の特徴
アイロン障子紙の特徴は、何といってもアイロン一つで
簡単に張り替えができる点です。
貼るために必要なノリや道具を用意する必要はありません。
手軽に貼れるのが一番の特徴でしょう。
障子紙の種類とサイズ
障子紙の作り方によって、手すき障子紙、機械すき障子紙、
プラスチック障子紙などの種類があります。
手すき障子紙は、障子紙としての風合いが良く、しっかり
しており、高級品です。
プラスチック障子紙は、化学繊維の紙にプラスチックを貼った
もので断熱性や強度に優れています。
機械すき障子紙は量産型の障子紙で、一般の私たちの家庭で
よく使われているもので、ホームセンターなどで安価に購入
できるものは、このタイプになります。
今回使用した障子紙も機械すき障子紙になります。
機械すき障子紙は、パルプ材にレーヨンなどの科学繊維を
混ぜたものです。
アイロン障子紙は、機械すきの紙の片面に熱を加えることに
よって溶けて接着するホットメルトと呼ばれるノリを
コーティングしたものです。
障子紙の1枚のサイズにもいろいろありますが、現在一般的に
よく使われているのは、1枚張りと呼ばれているものです。
障子1枚に対して、1枚の紙を貼ります。
したがって障子紙1枚の大きさは、障子1枚の大きさに
なっていますが、通常障子は、2枚で一対となっていますので、
障子紙も2枚分がひとつのロール状に巻かれています。
一般的に販売されている障子紙のサイズは以下のようになっています。
横幅:94cm前後
長さ:3.6m~4m(障子2枚分)
上記以外のサイズのものもありますので、購入される際は
ご自身の障子のサイズを確認しておいてください。
使用上の注意
アイロン障子紙は、当然ながらアイロンを熱くして使用します。
小さなお子様やペットがおられるご家庭で使用する場合は
間違って触れることがないよう十分に注意して行ってください。
また終了後は、すぐにコンセントを抜いて、触れることが
ないような場所に収納してください。
準備するもの
アイロン障子紙の張り替えには以下のようなものが必要になります。
・障子紙剥がし剤
古い障子紙(ノリを使って貼られた場合)を剝がすのに使います。
無ければ次の水とタオル等で剥がせます。
・水の入った容器とタオル等
剥がし剤がない場合に使います。
剥がした後の残ったノリやヨゴレ等を落とすのにも使います。
・アイロン
障子紙を貼るのに使用しますが、アイロンで貼られた
古い障子紙を剥がすのにも使います。
・カッターナイフ
貼った障子紙の余分な部分をカットするのに使います。
・定規(できるだけ長いもの)
真っすぐにカットするのに使います。
・霧吹き
必ず必要というものではありませんが、シワやタルミ
が生じた場合に使います。
古い紙の剥がし方
古い障子紙の剥がし方は、貼られた方法によって異なってきます。
新しい障子紙を貼るときもそうですが、剥がすときは障子を
外して寝かせて行った方がやりやすいでしょう。
畳の上で行う場合は、ブルーシートか古新聞を敷いて、
その上に寝かせましょう。
障子が外れない場合は、最下部の「障子が外れないときの
対処法」を参考にしてください。
ノリ貼りの場合
ノリを使って貼られた障子紙の場合は、障子紙剥がし剤か、
無ければ水を使って剥がします。
剥がし剤又は水をたっぷり含ませたタオルを使って、全ての
桟に付けていきます。
数分経って端から剥がしていくと、きれいに剥がれます。
剥がした後は、残ったノリやヨゴレをきれいにふき取っておきましょう。
水を含ませたタオルなどを使ってきれいにふき取り、その後
十分に乾燥させます。
アイロン貼りの場合
アイロンで貼られた場合の古い障子紙は、アイロンを使って剥がします。
アイロン貼りの障子紙は、ホットメルトと呼ばれる熱に溶ける
ノリを使って貼られています。
アイロンの温度を少し高めに設定して、アイロンをあてながら
引っ張ると剥がれます。
貼るときのポイント
① 新しい障子紙を貼る場合は、剥がす場合と同様に寝かせて
行った方がやりやすいので、ブルーシートか古新聞を敷いて、
その上に寝かせます。
② 次に障子紙のどちらの面にノリが付いているか確認しましょう。
一般的に障子紙は巻かれた状態になっていますので、
貼りやすいように外側にノリが付いています。
ノリが付いている面は、触ると少しザラツイた感じがします。
障子紙は障子の部屋外側に貼ります。
障子紙に模様がある場合は、模様が部屋内側を向くように
貼りますので、模様が見える面にノリが付いています。
③ また模様に上下がある場合は、上下も確認しておきましょう。
障子の上下に合わせるように貼ります。
障子の上下は、鴨居に入る深い溝が上で、敷居に入る浅いミゾ
が下になります。
④ 貼るときのアイロンの温度ですが、高中低の3段階の温度
設定がある場合は、中温とします。
温度としては、120度~160度のくらいの温度となります。
⑤ アイロンはドライの状態で使用します。
スチームは使わないようにします。
また霧吹きをしたり、水を付けたりはしてはいけません。
貼り方の手順
位置決め
まず最初に、障子紙を貼る位置を確認します。
障子紙をゆがみやねじれが無いように障子に貼るための作業です。
アイロンの温度は、中温(120~160度)にしておきます。
通常は障子紙はロール状に巻かれて販売されており、ロール状
の筒の外側にノリが付いています。
ノリが付いている面は、少しザラザラした肌触りになっています。
ロール状の外側が障子に当たるように置き、障子紙の端の角を
障子の角に合わせ、40~50cmほど伸ばし、アイロンの先で
1か所仮止めします。
周囲の仮止め
次に障子紙を障子の枠全体に広げます。
そして障子紙が障子の枠と平行になるようにし、軽く障子紙を
引っ張りながら、残りの3か所の角をアイロンの先で仮止めします。
この周囲の仮止めとき、ゆがみ、タルミ、シワが無いように
ピンと張って仮止めします。
中心部の接着
仮止めができましたら全ての桟に接着させますが、基本は中央
から外側に向かって接着させていきます。
まず最初は、縦と横の中央の桟を接着させます。
中央が済みましたらその他の桟を接着させていきます。
アイロンは、中央から外側に向かって滑らせていきます。
周囲の接着
中の桟の接着が終わりましたら、周囲を接着させます。
周囲を貼る場合は、段差がある場合と段差がない場合とで
少し貼り方が異なってきます。
段差がある場合は、段差のところを後でカットしますので、
アイロンの角を利用して、角にきめこむ様に押し当てながら
貼っていきます。
段差がない場合は、周囲は最終的に1cmほど残してカット
しますので、それに見合う分くらいを貼ります。
余分な紙のカット
周囲を貼り終えましたら、余分な部分の障子紙をカットします。
段差がある場合は、段差の角でカットします。
段差がない場合は、周囲1cmくらい残すようにカットします。
余分な紙を剥がす
カットした残りの余分な紙は剥がしますが、ノリがくっついて
はがれない場合は、アイロンを当てながら、熱いうちに
ひっぱると、剥がれます。
霧吹き
以上で障子紙の張り替えは完了ですが、障子紙のシワやタルミ
が気になる場合は、霧吹きをすると直る場合があります。
この場合は、均等に軽く霧吹きをしてください。
シワやタルミがひどい場合は、直らない場合もあります。
障子が外れないときの対処法
障子は、上にある鴨居と下側の敷居のミゾの中を滑るように動きます。
障子を外すときは、障子を持ち上げて手前に引くと外れます。
しかし古い障子の場合、鴨居が垂れ下がっているなどの理由で
手前に引いても外れない場合があります。
この様な場合は、車に積まれているジャッキを利用する方法があります。
この方法は、ジャッキの上げ代を考慮した鴨居と敷居の間に
丁度合う長さの丈夫な棒が必要になります。
鴨居と敷居と棒とジャッキが一直線になるように、敷居の
中央付近に置き、ジャッキの力を利用して鴨居を持ち上げます。
今回ご紹介しました写真は、実際に私の家で行った貼り換えの
祭の写真ですが、鴨居が下がっており、外れなかったので、
この方法で持ち上げて、障子を外しました。
まとめ
いかがだったでしょうか。
アイロンを使った障子紙の張り替えは、とても簡単に行えます。
ぜひ一度チャレンジしてみてください。