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集成材の種類と用途、強度の秘密を公開しています。

 2016/08/19 材料
この記事は約 15 分で読めます。 1,883 Views

木造住宅の構造材や内装材、そして家具や木工品などの多くに集成材が使われています。

集成材は比較的小さな木材を集めて、接着剤で貼りあわせて作られていますが、

近年の接着剤の性能と環境に対する影響の配慮の進歩により、集成材はますます

身近なものとなっています。

 

集成材は、製造にあたって節や割れ、くされなどの欠点が取り除かれており

無垢の木より品質面や強度面でも優れています。

そんな素晴らしい集成材のいろいろをご紹介したいと思います。

 

 

集成材とは

集成材とは、板材、又は角材を繊維方向(長さ方向)を同じ(平行)にして、

長さ、巾、厚さ方向に集めて接着させて造った木材のことです。

集成材はJASでその規格が定められており、定められた製造方法、加工方法、

製品基準に合ったものが集成材と呼ばれています。

 

また集成材は基本的に、長さ、巾、厚さ のそれぞれを混ぜ合わせて貼りあわせを

することはなく、長さは長さ同士、巾は巾同士、厚さは厚さ同士を貼りあわせます。

製造工場の規模によりますが、貼りあわせることによって集成材はかなり大きな

ものまで作ることができます。

 

また、ただ真っ直ぐに貼りあわせるだけでなく、湾曲しながら貼りあわせることも可能で、

小さなものではアーチ型をした窓枠や入り口の枠や大きなものでは体育館などの

広い空間を飛び越えるくらいの湾曲した梁などに使われています。

 

集成材の種類と用途

集成材は主に木造住宅の建築用の材料として使われたり、家具や木工品の材料として

使われています。

集成材は、JAS(日本農林規格)によってその規格が定められていますが、

内部の造作材や家具用材などのような強度を必要としないものと梁や柱など構造的に

強度を必要とするものに分けられています。

 

強度を必要としない集成材を造作用集成材、強度を必要とする集成材を構造用集成材と

呼んでいます。

そして造作用集成材と構造用集成材の中に、美観を目的として表面に薄い板を

貼っているものと貼っていないものがあります。

 

薄い板を貼ることを「化粧ばり」といい、貼っていない集成材を「造作用集成材」、

貼っている集成材を「化粧ばり造作用集成材」といいます。

同じく、「構造用集成材」、「化粧ばり構造用集成材」と呼び、

種類としては4種類になります。

 

そして上記の4種類に加えて、特に断面が大きい構造用集成材を

構造用大断面集成材」と呼び区別しています。

したがって集成材の種類は、全部で5種類ということになります。

造作用集成材

板材、又は角材を貼りあわせたままの集成材で、素地のそのままを生かして

使用される集成材です。

主として強度を必要としない構造物等の内部造作用としてもちいられる集成材をいいます。

 

私たちが木工用として使用するのは主にこの造作用集成材になります。

木工以外の構造物等の内部造作用としては、階段手すり、笠木、入り口の枠、窓枠、

壁材、カウンターなどになり、特に洋室での使用が多いようです。

化粧ばり造作用集成材

化粧ばり造作用集成材は上記の造作用集成材の表面に美観を目的に非常に薄い板を

貼り合わせたものです。

この板は非常に薄く、薄いものは0.5mm前後かそれ以下になります。

化粧ばり造作用集成材が使われている主なところは、構造物の中の和室に使われる、

なげし、敷居、鴨居、落としがけ、かまち、フローリングといった造作材になります。

 

敷居、かまち、フローリングなど床に接する部分は摩擦によってはがれることが

ありますので、少し厚い板が貼られています。

したがって薄板に使われる材種は和室に合わせた、桧、杉、栂、スプルースといった

針葉樹やかまち、フローリングなどには硬い広葉樹の板が使われています。

構造用集成材

構造用集成材は強度を必要とする構造物の耐力部材として使用されています。

主なものとしては、柱、桁、梁、などになります。

したがって構造用集成材は構造物の内部に納められていることが多いので、

普段私たちの目に触れることはあまりありません。

構造用集成材は建物以外に、橋梁や木造船などにも使われています。

化粧ばり構造用集成材

化粧ばり構造用集成材は上記の構造用集成材の表面に薄い板を貼ったものですが、

耐力部材として強度が必要であり、なおかつ美観も得たい場合に使用されています。

主な用途としては、木造住宅に使われる外から見える柱や梁などに使われています。

構造用大断面集成材

構造用大断面集成材はその断面の大きさによって、甲種と乙種の2種類あります。

甲種:厚さ、巾とも15cm以上で、断面積が300cm2以上のもの。

乙種:甲種以外で、巾が7.5cm以上、積層方向の厚さが15cm以上のもの。

 

主な用途としては、大型構造物の柱、桁、梁、アーチなどで、橋梁部材や木造船

などにも使われています。

島根県にある出雲ドームのアーチ型の梁が構造用大断面集成材で造られていますが、

実際に見に行ったことがあるのですが、断面はかなりデカイです。

 

 

造作用集成材の構造

私たちが家具用や木工工作用としてホームセンターやインターネットで購入できるのは

5種類の集成材の内の造作用集成材になります。

構造用集成材も木工用として使用することは出来ますが、樹種が限られます。

 

造作用集成材は構造用集成材の代用としては使用することは出来ませんので

注意してください。

造作用集成材は板材、又は角材を貼りあわせて層のようになっていますので、

一般には「積層材」とも呼ばれています。

 

造作用集成材は下記の図のような構造となっています。

 

s1

集成材も含めて無垢の板材などの寸法を表記する場合は、「厚み」、「巾」、「長さ」の

3種類の寸法を用いて表します。

「厚み」「巾」については、断面の木口の方形の短辺を厚み、長辺を巾としています。

「長さ」については、木材の繊維が流れる方向をいいます。

 

上記は木材の寸法を表す場合の古来からの決め事ですので、もし皆さんが板材などを

購入される場合は、上記の呼び名で寸法を表していただければ購入先とスムーズに

話ができると思います。

 

板材を使って出来上がった製品であるカウンターや天板などでよく使われる、

「高さ」「奥行き」「横幅」という言葉とは混同する場合がありますので

注意してください。

 

厚みについては、造作用集成材ではよく使われるのはだいたい20mmくらいから

40mmくらいになります。

カウンターやテーブルの天板に使われる厚みがだいたいこの範囲になります。

実際には集成材の工場においてはもっと厚いものを製作することが出来ます。

 

巾については、用途によっていろいろな巾がありますが、工場では製作可能な最大幅

というのがあり、工場の規模や設備機械によって決まっていますが、私が取引している

集成材の工場では製作可能最大幅は1300mm(1.3m)でした。

 

長さについても工場によって違いますが、私の取引先工場では6mまででしたが、

実際には輸送上の問題がありますので、通常の宅配便等の場合は4mが限界と思われます。

 

現在国内で販売されている集成材については、日本国内で製造されているものもありますが、

多くは外国で製造されて輸入されているものが主流となっています。

造作用集成材も現在は多くがフリー板という形で輸入されており、国内ではフリー板を

使ってさまざまな形状の集成材が再加工されて作られています。

 

造作用集成材の厚みについては、輸入されているのはおよそ40mmくらいまでの厚みの

ものになっています。

したがって、厚みについては40mmくらいまでは貼りあわせはありませんが、

40mmを超えると複数枚を貼りあわせたものになります。

 

巾については、上記の図にも書いていますが、一つの角材の巾はおよそ30mm前後と

なっています。

この巾も実際に製作している工場によって多少変わっていますが、

およそ25mm~40mmの範囲内になっています。

ただ、1枚の集成材の中で、一つ一つの角材の巾が変わるということはなく、

1枚の集成材の中の角材の巾は全て同じ巾で貼り合わされています。

 

長さについては、それぞれ1本の角材の長さも1本物ではなく、繋ぎ合わされています。

1本の無垢の長さはランダムで決まりはありません。

長さ方向の繋ぎ合わせは、上記の図に書いているように片方がギザギザになっている

ような繋ぎ方をしています。

 

専門的にはこれを「フィンガージョイント」と呼んでいます。

ちょうど両手の指でつなぎ合わせた形に似ていることから呼ばれていますが、

このような接着をすることによって接着強度が大幅に向上します。

 

ギザギザになっている方をフィンガー、真っ直ぐな線として表れる方をバットといいます。

現在の造作用集成材では、フィンガーが側面に現れる集成材が多いのですが、

中には広い表面側にフィンガーが現れる集成材もあります。

 

またこのフィンガージョイントの位置は、図のようにランダムですが、

これは、あえてランダムに繋いでおり隣の角材とのフィンガージョイントの位置が

同じ位置にならないようにしています。

この方が全体的に強度がしっかりした集成材が出来上がります。

 

 

造作用集成材の種類

広葉樹

主な広葉樹の造作用集成材には以下の種類があります。

ナラ集成材

 

タモ集成材

 

ゴム集成材

 

カバ桜集成材

 

ビーチ(ブナ)集成材

 

ハードメープル集成材

 

ホワイトアッシュ集成材

 

ウォールナット集成材

 

他の広葉樹集成材には、ニヤトー集成材 / チーク集成材 / ペルポック集成材 /

アルダー集成材 等があります。

 

針葉樹

主な針葉樹の造作用集成材には以下の種類があります。

桧集成材(節なし)

 

桧集成材(節あり)

 

杉集成材(節なし)

 

杉集成材(節あり)

 

メルクシパイン集成材

 

ノースパイン集成材

 

他の針葉樹集成材には、米松集成材 / 米栂集成材 / スプルース集成材 /

ポンデローサパイン集成材 等があります。

 

 

造作用集成材の取り扱い上の注意点

集成材から板取りをするときの留意点

造作用集成材を含めた全ての集成材の最大のメリットは、限界はありますが

厚み、巾、長さを自由に希望の大きさのものを作ることができるという点です。

ダイニングテーブルなどの大きな天板などはまさに造作用集成材の得意とするものです。

 

ただし、小さなものを製作する場合は造作用集成材は得意ではありません。

造作用集成材の構造のところで書いていますが、巾方向の貼りあわせと長さ方向の

繋ぎ合わせの内、長さ方向のフィンガージョイントの接着強度はあまり有りません。

 

理由は、長さ方向というのは、元々は木が山に生えているときの上下方向になりますので、

長さ方向の接着面の木口には水が通るための穴が沢山あいています。

そのため、接着剤がその穴に吸い込んでしまって接着強度が落ちるのです。

したがって強度を増す目的で、フィンガージョイントのようにギザギザにして

接着させています。

 

それでも接着強度は十分ではないので、長さ方向のジョイントの部分を両側から

挟むようにし、またとなり同士の角材のフィンガージョイントの位置が同じ位置に

ならないように千鳥になるように貼りあわせています。

したがって、1枚の集成材の巾には3本の角材(3層)があるのが理想となります。

 

特に強い力がかからなければ2本(2層)でも大丈夫ですが、多少とも力がかかる部分に

使用する場合は、3層以上とするか、あるいは小さいものは無垢材を使用するように

してください。

1本(1層)の場合は、フィンガージョイントの部分で簡単に折れてしまいます。

集成材の正しい施工方法

集成材を取り扱う場合は、以下の点に留意してください。

1.雨天時の施工はできるだけ避ける。

2.集成材を常時水のかかるところや湿気の多い場所では使用しない。

3.集成材を塗装する場合、表裏とも塗装しバランスをとる。

4.集成材の木口はペーパーで仕上げてから3回以上塗装する。

5.モルタルなど乾いてない部分への施工は避ける。

6.反り防止のための吸付き桟等をとりつける。

 

上記の6つの項目は、全て集成材が湿気による変形を起こすことを防止するための方法です。

変形の代表的なものが「反り」ですが、集成材は反らないと考えておられる方が

おられるようですが、集成材も無垢材の集まりですので反りが生じます。

集成材を使って何か作られる場合は、必ず反り防止の措置を行ってください。

集成材が反った時の対処方法

1.集成材が反ってしまった場合は、反った時の上下(表裏)を逆にして、

しばらく置いてみて下さい。

この方法でおおむね元の状態に戻ります。

2.上記の方法でも戻らない場合は、強制的に固定して直すしか方法は有りません。

集成材の保管上の留意点

1.風雨にさらされる場所や直射日光があたる場所での保管は避ける。

2.集成材を地面に直接置かない。

3.集成材を開梱したら長時間放置しないで、出来るだけ速やかに施工する。

 

反り防止の加工方法につきましては下記ページをご覧ください。

◎これだけは知っておきたい!反りのメカニズムと反り防止の方法。
http://kagu-diy.com/diy/mokkou/sori

 

 

構造用集成材の強度

前述しましたように、集成材には強度を必要としない造作用集成材と

耐力部材としての強度を必要とする構造用集成材があります。

集成材の規格の対象となる事項には、樹種、材料の品質、曲がり、そり、ねじれ

接着剤、寸法、表示事項、各種の試験結果などがあります。

 

このように集成材は、それぞれの集成材の種類ごとに細かく規定されています。

また集成材は、今までの経験から無垢の製材品に比べて割れにくく、

強度が大きいことが実証されており、構造用集成材のせん断許容応力度は、

無垢の製材品の約1.5倍に設定されています。

 

テーブルや家具などに集成材を使用する場合は、強度は関係ありませんので

造作用集成材を使用します。

しかし、住宅の構造材として耐力部材に使用する場合は、

必ず構造用集成材を使わなければいけません。

 

構造用集成材を使うことによって、無垢材の1.5倍の強度を得ることが出来ます。

つまり集成材は、無垢材より1.5倍強いのです。

集成材が無垢の製材品より1.5倍の強度を持っている理由は、集成材が持つ

積層効果にあると言われています。

 

積層とは、層を積み重ねることですが、図に描くと以下のようになります。

左側の無垢材は、自然のままですので、1本の木です。

一方集成材は、右側のように幾つかの無垢の木を積み重ねて層になっています。

またそれぞれの層は強力な接着剤によって強く貼り合わされています。

 

また集成材は、貼り合わされる段階において、節、割れ、くされなどの

無垢の木に含まれる欠点が除かれています。

一方無垢の木は自然のままですので、全てではありませんが、節、割れ

などの欠点が含まれる場合があります。

 

したがって、無垢の木と集成材を比べてみた場合、

集成材の方が、品質のバラツキが少なく、したがって強度のバラツキも

少ないと言えます。

 

たとえば1本の無垢の木の棒があったとして、1か所だけ腐れてしまっている

部分があり、その他は全く正常であったとしても、木を曲げていくと

1か所の腐れてしまっている部分で簡単に折れてしまいます。

 

つまり木の棒の強度は、1か所の腐れた部分に依存しています。

いくら丈夫な無垢の木でも、1か所でも弱い部分があると、その木の強度は

弱いものになってしまいます。

つまり無垢の木のように欠点があり、品質のバラツキが大きいと、全体として

弱くなってしまいます。

 

一方集成材は、積層処理において全ての欠点が取り除かれており、品質の

バラツキが少なく、したがって全体として強度が高い材料と言えます。

木造住宅を建てられるご計画のある方は、骨組み材には構造用集成材を

お使いになられることをお勧めします。

 

 

まとめ

集成材は木工作品作りには欠かすことの出来ない素晴らしい素材といえます。

また木材の利用に無限の可能性を与えたともいえます。

あなたもぜひ集成材を使って素敵な木工作品作りに挑戦してみてください。

 

木工DIYに必要な集成材、無垢材につきましては、下記にまとめてありますので

こちらもチェックしてみてください。

 

木工に必要な道具、工具はこちらから

 

木材の接合に使う接合金物はこちらから

 

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