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電気(電動)カンナの使い方と平面出しのコツ。

 2017/05/09 DIYの道具と工具
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電気カンナの使い方と、きれいに削るコツや、特殊な加工方法について

ご紹介します。

木材や板材を削る道具としては、大工道具の手ガンナや大型の自動プレーナーなどの

機械がありますが、手ガンナを使うには少し熟練が必要です。

 

また自動プレーナーは、板材の厚みを決めるのに大変便利な機械ですが、機械自体が

大きいですし、場所も必要になり、なかなか個人では難しい面があります。

 

電気カンナは、上記の手ガンナと自動プレーナーの中間的な道具ではないでしょうか。

仕上がりの程度は手ガンナほどではありませんが、切削量は手ガンナに比べて

圧倒的に大きく、手軽に使うことができる電動工具です。

          この記事を書いた人:りょう(DIYアドバイザー)

 

電気カンナの使い方

電気カンナは、1分間に15,000回転ほどの高速回転をしながら板材などを削りますので

電動工具の中でも特に危険度の高い機械となります。

プラグをコンセントに差し込んだら、刃には絶対に触らないようにしましょう。

 

また他の電動工具を扱うときにも共通することですが、作業場の足元をきちんと整理して

つまずくことがないように、またコードが刃に触れることがないように、

しっかり伸ばしておき、また作業中に引っ掛かることがないように確認しておきましょう。

基本的な使い方

電気カンナを使う場合は、両手を使って電気カンナを持って作業します。

片方の手でハンドルを持ち、もう片方で切込み深さ調節ノブを持ちます。

両手で持って一定の速度で前に進みながら削っていきます。

 

やや体を電気カンナの方に向け前進しますので、体の右側に電気カンナを置く場合は

右手でハンドル、左手で切込み深さ調節ノブを持ちます。

体の左側に電気カンナを置く場合は、逆となります。

 

電気カンナには、削りクズ排出口があり、本体の左右のどちらか、あるいは両方に

切り替え可能な機種もあります。

ダストバッグを取り付けたり、集塵機につないだりして使用する場合は、自分の体とは

反対側に排出口があるほうが使いやすいので確認してください。

作業台の設置

作業に入る前にまず、削る材料をしっかり固定できる作業台を設置しましょう。

高さとしてはちょうど一般的なテーブルの高さ(70cm)くらいが作業はしやすいでしょう。

作業用のテーブルの他には、前後をしっかりとした脚で支え、その脚に丈夫な角材を

渡して使うのも良いでしょう。(大工さんが使うウマと呼ばれるもの)

 

作業台ができましたら次に削る材料を作業台に固定します。

削る材料を直接クランプ等で挟むと電気カンナが当たって邪魔になりますので、

前に動かないように出来れば良いので、削る材料よりも高さの低い角材か板を直接作業台に

取り付けるか、専用の削り用板に取り付けます。

    

 

板材の削る方向の決定

板材を削る場合は、どちら側から削り始めるかを決めます。

どちらから削っても同じと思われるかもしれませんが、板材にはきれいに削れる方向が

あります。

それは、電気カンナの刃の回転方向と木目が関係します。

 

電気カンナの刃がついている筒状のドラムは、進む方向(前進方向)に向かって回転

しています。

また、板材や木材にはご存知のように、木目があります。

 

したがって板材を削る際は、ドラムの回転が木目に沿うように電気カンナを向けて

動かしていきます。

 

専門的には、これを順目方向といいますが、手ガンナで削る場合も同様です。

このように順目方向に削っていくときれいに滑らかに削れます。

逆に削ると(逆目)木目を起こしてしまい、毛羽だったようになり滑らかになりません。

一般的に多い板材は、上記の図のような山の形をした木目が表面に表れます。

表面からですと木目がどちらに傾いているか分かりませんが、側面を見ると分かります。

 

上の図の場合は、左下がりとなっていますので、電気カンナの刃の回転は、左から右に

回転するように板材に当てます。

逆にしますと、木目にひっかかって、木目を起してしまいます。

 

削り深さの決定

次に削る深さ(切削量)を決めます。

切削量は、電気カンナの前側に付いている「切削深さ調節ノブ」を回して切削量を決めます。

切削深さ調節ノブには、切削量を示す数字が刻まれていますので、削ろうとする切削量に

ダイヤルを合わせるだけで完了です。

 

「切削深さ調節ノブ」を回すと、それによってフロントベースが上下するようになっており

フロントベースの上下によって切削量が決定します。

この部分が手ガンナに比べて大変扱いやすいところでしょう。

 

ただし、切削深さ調節ノブは1回転以上は回さないようにしてください。

回し過ぎると外れてしまう場合があります。

削れる深さ(切削量)は、小型のもので0~1mm、大きいものですと、0~3mm

くらいまで一度に削ることができます。

基本的な削り方としては、目標とする厚みに1度で削るのではなく、何度かに分けて

削っていきます。

大きくは、粗削りと仕上げ削りの2回ですが、元の板材の厚みと最終的に目標とする

厚みの差が大きければ、回数は増えるでしょう。

 

また板材の両面削るのか、片面だけなのかによっても変わってきます。

したがって削り始める前に、削る回数とそれぞれの切削量を大まかで良いので、最初に

決めておきましょう。

 

最初の慣れない内は、切削量は少な目にして板の状態を確認しながら少しづつ進めて

いくのが良いでしょう。

 

一般的には、粗削りの場合の切削量は、0.7~1mm、

仕上げ削りの場合で、0.2~0.4mm くらいを一応の目安としてください。

最初の内は粗削りの場合は、0.5mmくらいでも良いですし、もっときれいに仕上げたい

場合は、仕上げ削りの深さを0.1mm にすれば良いでしょう。

削り作業

材料の設置、方向の決定、切削量の決定、が決まったら実際に作業を開始します。

 

まず、電気カンナを両手で持ち、フロントベースを材料に当てます。

まだスイッチ(引き金)は入れません。

材料の先に刃が当たらないように、2~3cmほど間を空け、フロントベースを材料に

密着させます。

材料に刃が当たっていないことが確認出来ましたら、スイッチを入れます。

材料に刃が当たった状態でスイッチを入れるとキックバック(反動で電気カンナが

後方に押される)を起こして危険ですので注意してください。

 

刃が一定の速度で回転し始めたら、フロントベースを材料にしっかり密着させたまま、

ゆっくり体ごと歩きながら押し進めていきます。

最初から削り終わる最後まで、フロントとリアのベースをしっかりと材料に密着させる

ようにして、前後に傾かないように動かします。

 

削り終わったらそのまま少し水平に動かし、スイッチ(引き金)を切り、ドラムの

回転が止まるのを待ちます。

回転が止まったのを確認して、決められた場所に刃を下にして、刃を少し浮かせて置きます。

 

刃を浮かせるための装置がフロント部分に付いている機種もあります。

ない場合は不要な板材か角材の上にフロント部分を置いて、直接刃が当たらないように

します。

 

以上が基本的な削り方になります。

 

最初の削り始めのときは、フロントベースだけが材料に付いている状態ですので、

後ろに傾きやすいので、フロントベースをしっかり押さえて密着させるようにし、

最後のフロントベースが材料から離れると、前に傾きやすくなりますので、後半は

リヤベースに重心を置いて押すようにすると良いでしょう。

また途中で止まると、その部分だけが深く削れてしまいますので、最初から最後まで

同じスピードでゆっくり押し進めるようにします。

 

きれいに削るコツ

切削量を小さくしながら削る

切削量(削る深さ)は、粗削りから仕上げ削りになるにしたがって小さくしなが削って

いくときれいに削れます。

また歩くスピードも仕上げになるほどゆっくり歩くときれいに仕上がります。

 

電気カンナは、2枚の刃が回転しながら移動して板材を削りますので、よく見ないと

分かりませんが、板材の表面には連続した波状の削り跡が付きます。

 

この波状の削り跡のことを「ナイフマーク」と言いますが、当然ながらナイフマークは

回転数が同じであれば、削る深さが深いほど、また移動するスピードが速いほど、

大きくて目立ちます。

上の図は少し極端に書いています。

 

したがって、粗削りの段階ではきれいに仕上げるより効率が優先しますので、

削り深さは深く、移動速度も速くし、仕上げの段階では深さを浅くして、移動速度を

ゆっくりすれば、ナイフマークは目だ立たずきれいに仕上がります。

段差をなくす方法

一般的によく使われている電気カンナの刃幅の種類は、80mm~100mmくらいの

機種のものです。

 

そうしますと電気カンナの刃幅よりも削る板材の幅のほうが広い場合が多々あり、

2回以上に分けて削るようになり、たとえば1回目と2回目の境に段差や不規則なスジが

生じてしまうことがあります。

 

このように複数回に分けて削る場合は、電気カンナに付属品として装備されている

平行ガイドを使いましょう。

平行ガイドを使うことによって、複数回の切削工程を平行に規則正しく押し進めることが

できますので、それぞれの切削を少しだけ重なるようにすれば段差が生じにくくなります。

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上記の写真で、電気カンナの側面に取り付けているのが平行ガイドになります。

平行ガイドを使用すれば、板材の側面から一定の距離を正確に推し進めることが出来ます

ので、1回目と2回目を少し重なるように削っていけば、段差が生じにくくなります。

特殊な加工の方法

面取り加工

面取り加工とは、板材の表面と側面の角を斜めに落とす加工のことです。

面取り加工を行う場合は、フロントベースの中央についている三角形のミゾに材料の角

当てて面取りを行います。

 

加工する面の角からの深さは、平面を加工する場合に比べて、ミゾになっている分深く

なりますので、本加工をする前に不要の板で面の大きさを確認してください。

相じゃくり加工

相じゃくり加工とは、壁の腰板などのように複数枚の板を重ねながら貼る場合に、

それぞれの板の重なり部分を半分づつ欠き取る加工です。

相じゃくり加工は、専用の相じゃくりガイドか、平行ガイドを使って加工することも

できます。

丸棒加工

丸棒の一部に平面加工を施したい場合などには、丸棒が転ばないような丸棒をしっかり

受ける台を製作すれば、その上に固定して通常の平面加工と同じように切削加工することが

できます。

 

 

電気カンナの種類

電気カンナにはタイプの分け方で、普通タイプ、変速タイプ、曲面タイプの3つがあります。

普通タイプ

一般によく使われている平面削り用の回転数が15,000回転前後で一定のものです。

切削能力が高く丸太の皮を削ったりすることもできます。

ただ一つの欠点としては、馬力が強いだけに作業中は大変大きな音がします。

 

防音設備のある作業場でもあれば良いですが、一般の住宅やお庭などで作業をする場合は

ご近所さんへのご迷惑が気になるところです。

この状況に対応するためにモーターの回転速度を変えられるようにしたのが変速タイプです。

 

変速タイプ

普通タイプのものは回転数が一定で音が大きいのですが、変速出来るように改善した

ものが変速タイプです。

変速の種類としては、2段変速や無段変速などがあります。

回転数を下げることによって発生する音を低く抑えることが出来ます。

 

ただし、減速すればその分切削能力は落ちますので、切削深さは深くは出来ません。

また移動スピードもよりゆっくり押し進める必要があります。

 

曲面タイプ

普通タイプの電気カンナは凹面の曲面は削ることが出来ませんが、電気カンナの底の

ベースの部分を凸形に反らして、凹面の曲面を削れるようにしたものが曲面タイプ

電気カンナで、曲面かんなとも呼ばれています。

機種によって切削可能な曲面の半径が決まっています。

替刃式と研磨式

電気カンナの刃には、替え刃式のものと研磨式のものとがあります。

替え刃式は、切れなくなったら新しいものと交換します。

研磨式は、切れなくなったら砥石で研磨して同じ刃をずっと使っていきます。

 

どちらが良いかは一概には言えず、購入される場合は、使用頻度、コスト、手間を考慮して

決められると良いでしょう。

替え刃式

替え刃式のメリットは、研磨の必要がないので手間が掛からないことです。

ただしその分デメリットとして替刃の費用がかかります。

 

ただ研磨式の刃は片側にしか付いていませんが、替え刃式の刃は両方に付いています

ので、切れなくなったら反対側が使えるので、2倍は使えます。

また刃の本体への取り付けも簡単です。

研磨式

研磨式は、切れなくなったら研がないといけませんが、自分でする分には費用は

かかりません。

ただ、刃の研磨の技術と取り付けの慎重さが必要になってきます。

 

特に電気カンナの刃は、2枚でセットになっていますので、2枚の刃の形状、取り付け位置

を正確に合わせなければいけません。

本体には付属として研磨用の道具や取り付けのための道具は付いています。

 

DIYで電気カンナを使われる場合は、手間のかからない替え刃式がオススメです。

ただ、刃の研磨もDIYの一つとして楽しめる、あるいは楽しみたいと思われる方には、

研磨式も面白いでしょう。

集塵装置との接続

電気カンナで板材を削ると、想像以上の大量のカンナクズが出てきます。

通常販売されている電気カンナには、付属品としてダストバッグが付いており、

本体の側面に取り付けて、カンナクズを集められます。

 

ただし、カンナクズは軽いですがけっこうかさばりますので、付属のダストバッグでは、

容量はそれほど大きくないので、すぐに満杯になってしまい、たびたび取り出す手間

が必要になります。

 

将来的に使用頻度が多い場合は、容量の大きい集塵装置との接続も検討されておかれた

ほうが良いと思います。

多くのタイプは接続用の部品がありますが、接続できないタイプもありますので

購入の際は確認しておいてください。

 

また集塵装置は結構かさばりますので、設置場所の確保も必要です。

掃除機と同じで、モーターによってカンナクズを吸い取りますので、これまた結構

大きな音がしますので、購入前に確認してください。

 

レンタルして使おう

お隣さんが近いお宅やマンションにお住いの方の場合は、電気カンナは音の問題、

集塵の問題、作業スペースの問題等で使用が難しい面もあります。

こんな時は、場所も道具もレンタルすることを検討してみてください。

 

電動工具については、多くのホームセンターでレンタル出来ます。

しかも購入すれば数万円もする電動工具が、2泊3日のレンタルで200円~数百円

程度で可能です。

 

また作業スペースも借りれるホームセンターもあります。

ホームセンターであれば、気兼ねなく思う存分使うことができます。

自宅で難しい作業はホームセンターで行い、細かい作業を自宅で行うこともできます。

ぜひお近くのホームセンターで確認してみてください。

 

安全に使用するための注意点

電気カンナを含む他の電動工具にも共通することですが、電気カンナはむき出しの

鋭利な刃物が手元の近くで高速回転しています。

回転中に人の肌が少しでも触れますと大けがとなってしまいます。

 

安全に楽しくDIYを楽しむためにも、基本的な電動工具の取り扱い方法について

常に気に留めておくようにしましょう。

電気カンナを取り扱う際は、以下の点に留意して使用してください。

 

1、電源コードのプラグをコンセントに差し込んだら刃には絶対に触らない。

2、休憩時、終了時は、まず先にプラグをコンセントから抜く。

3、替刃の交換、調整時も必ずプラグをコンセントから抜いて行う。

4、切れ味の悪くなった刃は使用しない。

5、プラグをコンセントに差し込んだまま持ち歩かない。

6、つまづいたり、転んだりしないように、足元を常に整理整頓しておく。

 

電気カンナを含むほとんどの電動工具は、指1本で押したり、握ったりするだけで

簡単にスイッチが入ります。

 

プラグがコンセントに差し込まれた状態ですと、意図せずスイッチが入っても、

その瞬間に刃物が高速回転します。

上記留意点としてあげた6つの事項は、常に忘れないでください。

 

まとめ

電気カンナは、手ガンナに比べて格段に切削能力が大きく、今まで難しかった

カンナ仕上げを楽にこなしてくれます。

荒材のザラザラを削ったり、厚みのある板材を薄く削ったりも簡単です。

 

また、長年使用して反ってしまったまな板を削れば、新品同様のきれいなまな板に

生まれ返らせることだってできます。

電気カンナは、木工DIYの幅を大きくふくらませてくれる電動工具です。

 

下記に各メーカーの電気カンナをご紹介していますのでご参考にしてください。

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