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燻製の作り方の基本と手順。

 2021/09/12 燻製
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燻製作りは、手間と時間がかかり難しいと感じておられる方も多いと思います。

確かに長い時間を掛けて行う本格的な燻製もありますが、

下処理も不要で 燻煙するだけの、十数分で出来る燻製もあります。


燻製づくりはとても楽しく、食材の味がびっくりするほど美味しくなります。

まずは燻製作りの基本と手順を理解することから始めましょう。

このブログでは、燻製の作り方の基本と手順についてご紹介しています。

 
この記事を書いた人
山根良治 DIYアドバイザー


燻製の作り方の基本的な手順

まずは燻製の作り方の基本となる手順についてご紹介します。

簡単な十数分でできる燻煙するだけの場合や、1日で完了

できるような燻製の 場合は、思いついたときにすぐ出来ます。


しかし完成までに数日以上かかるような燻製作りの場合は、

しっかりと作業の 工程を確認し、計画を立てておくのが良いでしょう。

燻製の作り方の基本の手順は、

①下処理、②塩漬け、③塩抜き、④乾燥、⑤燻煙、 ⑥熟成 

の順となります。

下処理

まず最初に行う作業が食材の下処理になります。

食材の種類や食材の状態によって、当然ながら下処理の方法も変わってきます。

一番丁寧にしっかりと下処理を行う必要があるのが、

生魚や生肉から作業を 開始する場合になります。


基本的に燻製は保存性を高めるために行いますので、

食材を保存する上で不要なものを 取り除きます。

ある程度加工された食材のなかには不要なのもありますが、

まずは水洗いを行い 汚れなどを取り除きます。


生魚の場合は、内臓やエラ、血合いをきれいに取り除きます。

生肉を燻製する場合は、多く付いている脂身は、

全部取ってしまうとパサついた感じに なってしまうので

少し残す程度にしておきます。

塩漬け

下処理を終えると、次に塩漬けの行程となります。

塩漬けを行うのには2つの目的があります。

1つは、食材の中の水分を抜くこと、もう1つは、腐敗を

防止することです。

水分を抜くことによって腐敗防止となり、その結果保存性を

高めることが 出来ます。


また水分を抜くことによって殺菌の効果があると言われています。

保存食品の多くが塩漬けを行うのは、これらの理由によるものです。


食材の中から水分を抜くことによって期待できる効果に

もう一つ、食材そのものの味や旨味や風味といったものを

相対的にアップする効果があります。

水分が減少することによって旨味が凝縮されるというわけです。


塩漬けの行程で、もう一つできることがあります。

それは自分の好きな味付けをすることが出来ます。

これは必ずしも必要なことではありませんが、

淡白な食材の場合や、臭みなどが 気になる場合などに行われます。


味を付けるのに利用されるのは、各種のスパイスやハーブなどです。

塩と一緒に混ぜ合わせることによって、独特の味を付けることができます。

なかにはお酒を混ぜる方もおられます。


塩漬けの方法には、食材に直接塩をすり込む「ふり塩法」

と塩を溶かした水に 漬ける「ソミュール法」の2つがあります。

この2つの方法については、後述で詳しくご紹介します。

塩抜き

次に行うのは、入れた塩を抜く作業になります。

塩漬けは食材の外側から行いますので、食材の中の塩分の

濃度に違いがあり、当然ながら食材の中心部分は薄く、

周辺は濃くなっています。


塩抜きの目的は、食材の中の塩分濃度を均一にさせることにあります。

したがって塩抜きは、食材の周辺部の濃くなっている塩を抜きます。

塩抜きの方法は、単純に水で洗い流します。


ただ直接流水に当てると、水が当たる部分と当たらない

部分でムラになって しまいます。

塩抜きは、ボウルなどの容器に入れて、直接食材に当たらない

ように水を流し ながら行います。


塩抜きによって、食材の臭みや雑味なども同時に抜くことができます。

塩抜きがきちんとできれば、食材全体が均一な味つけとなり美味しくなります。

塩抜きが足りないと、塩辛い燻製となってしまいます。

乾燥

塩抜きが完了できましたら次に乾燥させます。

塩漬けによってもある程度の水分が抜かれていますが、

さらに乾燥によって 水分を抜いていきます。

これによって保存性がますます高まり、旨味が凝縮してきます。


塩抜き直後の食材は、表面に水分をいっぱい含んでいますので、

まずは清潔な キッチンペーパーなどで表面の水分を取り除きます。


乾燥の方法にもいくつかありますが、風乾(ふうかん)

と呼ばれている自然乾燥 が推奨されています。

風乾を行う場合は、天気の良い日に日陰で自然の風にあてて乾かします。


その他の乾燥の方法としては、冷蔵庫の中で乾かしたり、

室内の場合は扇風機の風をあてて 乾かしたりもします。

乾燥の完了時期の見極めは迷うところですが、

あまり乾燥させすぎないように するのが良いようです。


最近の燻製の傾向としては、保存性よりも食材の味に重点を

おいた燻製が好まれているとのことです。

カラカラに乾燥させるよりは、食材のジューシーな部分を

残しつつ表面は乾燥させるのがおすすめです。

燻煙

いよいよここから本番の燻製作業に入ります。

ここまで読んでいただいて、燻製って面倒だなと感じて

おられる方もおられる かもしれません。


でも大丈夫です。

この燻煙の行程だけで完了する燻製のレシピもたくさんあります。

いろいろ紹介されていますので、まずは簡単な燻煙から初めてみてください。


燻煙は、細かな木の切れ端に熱を与えて煙を発生させて、

その煙を食材に当てる ことで出来ます。

効率よく食材に煙を当てるには、煙が逃げないように、

食材と煙を囲ってやります。囲むのに使われるのが

スモーカーとよばれるものです。


煙を当てるだけで燻製独特の香ばしい風味や香りが付くのは、

ちよっと不思議な気もします。

木からでる煙には、そんな成分が含まれているというわけです。


燻煙の方法には3通りあり、燻煙するときの温度の違い

によって、熱燻、温燻、冷燻の 3通りのやり方があります。

それぞれ3通りの燻煙の方法については、あとでくわしくご紹介します。

熟成

燻製作りの最後の工程が、熟成になります。

といっても特に行う作業はなくて、燻煙した食材をしばらく

置いておきます。

しばらく置くことによってさらに美味しくなるというわけです。


熟成の期間も長短あり、基本的にはここに至るまでの時間に

よって熟成の時間も変わるようです。

手間をかけ長い期間をかけて燻煙した食材は、それなりの

期間をかけて熟成も行います。


簡単な燻製は、熟成も短時間で済ませられますし、

熟成なしにすぐに燻煙後に 食べても 美味しいものもあります。

まずは簡単な燻製から始められるのが良いと思います。

熟成の方法は、乾燥のときの方法と似ています。


素材や燻煙の方法によって変わってくるようですが、

自然の風に当てる風乾や冷蔵庫の中、扇風機の風に当てたりして行います。

燻製を行う上での留意点

燻煙を行いますと当然ながら多くの煙が発生します。

この煙には、燻煙独特のニオイがありますし、食材以外の

ものにもニオイが 付きます。


着ている洋服にも、煙があたるとニオイが付いてしまいます。

作業されるときは、支障のない服装で行うのが良いです。

洗濯物を干されている場合は、片づけてから行うのが無難でしょう。


またご近所さんにも気を付けて行いましょう。

接近している場合は、お隣さんが洗濯物を干されている時や、

窓が開いている時 などは、行わない方が良いです。


上記以外でも、ニオイや煙の影響を与えそうな場合は、

控えた方が良いです。

周囲の方に迷惑にならない場所を選んで行うようにしてください。


燻製作りの道具

燻製を作るための道具についてご紹介します。

燻製作りの道具は、新たに用意していただくものがありますが、

現在お料理などで お使いのものがそのまま使えるものもあります。

スモーカー

まずは燻製作りに必要なのがスモーカーになります。

スモーカーの役目は、食材と煙を一緒に囲って食材に

ムダなく煙を当てることです。

したがって構造的には単純で、煙を逃がさない箱状のものになります。

色々な材質や大きさ、形状の燻製専用のスモーカーが市販されています。


またある程度経験されれば自作することも出来ます。

私は現在購入したスモーカーを使って楽しんでいますが、

自分でも作りたいと 思い、使えそうな材料を集めています。


スモーカー作りによく利用されるのが一斗缶ですね。

ホームセンターでも販売されていますが、不要になった

一斗缶を使って作られておられる方も多くおられますね。


その他には段ボール箱を使ったり、合板から切り抜いて

自分流のスモーカーや大型に なるとドラム缶も利用されています。

燻製作りには、道具作りの楽しみ方もあります。

スモーカーの構造

スモーカーの基本的な構造についてご紹介します。

ただこれといった決まりはないので、ご自身で使いやすい

ようにアレンジしてみてください。


私が使っている中型のスモーカーを例に基本的な構造についてご紹介します。

私が使っているのは上記のスモーカーで、同じものを使って

いる方もおられるかもしれません。


大きさは、高さが約40cm、横幅が21cm、奥行きが19cm の

中型のスモーカー になります。

前の扉を開けると、中は上記のようになっています。

シンプルな構造ですが、スモーカーに必要な基本的な要件を

満たした使いやすいスモーカーです。


3段になっており、一番上がS字フックを吊り下げるための

アミとなっています。

吊り下げて燻煙する場合は、ここに吊り下げます。

小さな食材でしたら、この上にも置けます。


中段がメインの食材を置く棚となっています。

そして一番下が、スモークチップを入れる容器を置くアミとなっています。

折りたたみ式になっていますので、野外でのキャンプなどに

持っていくときはコンパクトに出来ます。

スモーカーの上部には、スモーカー内の温度を計る温度計が付いています。

燻製作りは温度管理が重要ですので、温度計は必需品となります。

スモーカーの種類

スモーカーの素材や大きさ、形など、スモーカーの種類についてご紹介します。

① 素材

スモーカーの素材としては、販売されているものは金属製の

ものが多いですが、陶器製やダンボール製のものもあります。

自作される方の場合は、金属製や木製(合板)で作られる方もおられます。


手っ取り早く作るには、段ボール箱を利用するのが良いですね。

既に箱になっていますので、棒を差し込んで食材を乗せる

棚を作れば完成です。

ただし、火を使いますから倒れないように十分に対策をして行ってください。


丈夫で永く使うには、金属製や木製のものがしっかりしています。

一斗缶程度の空き缶が入手できれば、1つでも良いですし、

2つあれば上下に重ねて 大型のスモーカーができます。


ただし加工するのには、それなりの道具は必要になってきます。

比較的加工しやすいのは、板や合板を使って作るのが良いですね。

② 形状

特に形に決まりはありませんが、長方形か円筒形がよく使われます。

販売されているものを見ても、長方形と円筒形が半々くらいのようです。

③ 大きさ

大きさについては、大小さまざまですが、

高さが40~50cmくらいのものが 中型と呼ばれているようです。

それより大きいものが大型、小さいものが小型と呼ばれています。


雑誌等で中華鍋を使った燻製の作り方がよく紹介されて

いますが、 中華鍋は小型の部類になります。

その他にも現在お使いの鍋の中には、燻製を作るのに

利用できるものが有りそうです。


これから本格的に燻製作りを始められるのであれば、

中型スモーカーから始めるのが良いでしょう。

中型のものであれば、レシピも多く紹介されていますし、

熱燻、温燻、冷燻の3通りの燻煙が出来ます。

熱源

ウッドチップから煙を発生させるには熱を加えるための

熱源が必要になります。

熱源として利用されているものは、ガスコンロ、電熱器、

炭、豆炭、スモークウッド、 ウッドストーブ、

アルコールストーブ、ガスストーブなどがあります。

電熱器

私は家で燻製作りをするときは、もっぱら電熱器をつかっています。

一番の理由は、使いやすさと温度の調節のしやすさ、後片付けが楽なことです。

上記が私が使っている電熱器です。

このように電熱器の上に直接置いて使っています。

この電熱器は温度が4段階に変えられるようになっており、

270wの弱火から一番強い強火1200wまで変えられます。

1200wあれば、冬の寒い時期のベランダでも強力な火力が得られます。

炭、豆炭

燻製作りのための熱源によく利用されるのは、炭や豆炭です。

火力が安定すれば強力な熱も得られますので、燻煙するには

最高の熱源です。

また炭を使かって調理した食材は、独特のおいしさがあります。


私もキャンプなどで燻煙するときは炭を使いますが、

着火から安定した火力になるまでに少し時間がかかります。

また後片付けが少し面倒かなと感じています。


炭を使う場合は、ウッドチップを金属製のお皿に盛って使う

こともしますが、直接炭の上に 乗せても使います。

炭の上に直接盛って使う場合は、ウッドチップが

燃え上がらないように確認 しながら 行ってください。

ガスコンロ

ガスコンロはキッチンに備え付けのものと、持ち運びが出来る

カセットボンベを 使うものがあります。

どちらも強い安定した火力が得られ、火力調節も容易です

ので、熱燻、温燻には最適の熱源です。


ただ一つだけ注意していただきたいのは、カセットボンベの

ガスコンロを使用 する場合です。

燃料の入ったカセットボンベが熱くならないように使用してください。

カセットボンベが熱くなりすぎると爆発の危険性があります。

スモークウッド

スモークウッドについては、次にご紹介する燻煙材のところ

で詳しくご紹介しますが、冷燻用の熱源として使います。

スモークウッドは、燻煙材として直接火をつけて煙を発生

させて使いますが、スモークチップと一緒に使うこと

によって熱源としても使えます。


燻煙材

熱を与えて煙を発生させるのが燻煙材と呼ばれているものです。

燻煙材にには、主に広葉樹の木を細かくしたものを使いますが、

針葉樹は不向きのようです。


燻煙材には、スモークチップとスモークウッドと呼ばれる

ものを主に使いますが、スモークチャンクと呼ばれるものも使います。

スモークチップ

燻煙材として最もよく使われるのがスモークチップです。

スモークチップは上記の写真のように、木材を大小の細かな

木片にしたもので、燻煙材として最もよく使われています。

この木片を金属製のお皿に入れて電熱器で熱を与えたり、

直接炭の上に盛って使ったりします。


あまり与える熱が強すぎると炎が出て燃えてしまい、

煙がでなくなってしまうのでくすぶっている状態を維持します。

スモークウッド

スモークウッドは、チップよりもさらに細かく粉状にした

ものを固めて棒状にしたものです。

スモークウッドの場合は、電熱器などで熱を与えるのではなく、

ウッドそのもの に直接火をつけて煙を出します。


炎は出さず、煙だけを出します。

蚊取り線香のような使い方です。

電熱器や炭などの熱源を使用しないので、スモーカー内部の

温度が熱く なりませんので、冷燻の場合によく使われます。

スモークチャンク

スモークチャンクは、スモークチップよりもかなり大きめの

木片になります。

大きめの木片ですので、間接的な熱の与え方では煙が

出にくいので、直接炭などの上に置いて煙を出させます。


野外でのバーベキューなどのときに炭の上に置いて使います。

乾いていると火が付きやすいので、あらかじめ水に漬けて

湿らせておきます。

燻煙材の木の種類

燻煙に使われる木の種類は、広葉樹の木が使われています。

主なものは以下のような木となります。

サクラ、クルミ、リンゴ、ナラ、カシ、ブナ、ヒッコリー

など、その他にもあります。


私は仕事柄多くの広葉樹を扱ってきましたが、木材そのもの

の香りが良いと感じたことは一度もありません。

むしろ木の香りとしては、スギやヒノキの香りが好き

なのですが、スギやヒノキなどの針葉樹は燻煙材には不向き

とされています。

燻煙に使われる木のなかにもそれぞれ特徴があり、

感じる香り、香りの強弱が あります。

燻煙する素材に合わせて燻煙材も選ぶと良いでしょう。

基本的には、臭いが強くクセのある食材には香りの強い

燻煙材を、淡白な食材 には、控えめの燻煙材を使います。

燻製の仕組み

煙で食材を燻す燻製は、保存食を作るための方法として

昔から行われています。

保存食の代表的な食材といえば、かつお節、干物、漬物があげられます。

塩漬けをしたり、乾燥させたり、燻したりすることによって

食材は保存性を高めます。

燻製は、保存性を高める塩漬け、乾燥、燻煙の全ての工程を含んでいます。

 

しかし現在の社会では、昔と違って特別のことがない限り、

いつでも好きな 時に食材を自由に手に入れることが出来ます。

したがって今の燻製の楽しみ方は、保存というよりは

燻製することによる食材の独特の風味や香りなどの味が中心

となっています。


この燻製独特の味の変化は、煙で燻すことによって生まれています。

燻製独特の風味や香りを生み出しているのは、

煙に含まれている フェノール化合物、カルボニル化合物、

有機酸などとなっています。


これらの煙に含まれている成分が、独特の風味や香りを

生み出していると同時に、殺菌の効果も持っています。


保存性は薄れたとは言え、美味しい燻製を作るには、

それぞれの工程で行う 作業はきっちり行う必要があります。

それぞれの工程についてもう少し詳しくご紹介します。


塩漬け

塩漬けの一番の目的は、食材の中の水分を抜くことと殺菌にあります。

また、水分を抜くことによって臭みや雑味も抜けますので、

食材本来の味や旨味 が増す効果もあります。

塩漬けの方法には、ふり塩法とソミュール法の2つの方法があります。

ふり塩法

ふり塩法は、直接食材に塩をすり込んで水分を抜く方法です。

食材に直接すり込みますので、水分を抜く効果は高いと言われています。

特に大きな肉の塊の水分を抜くやり方として使われている方法です。


すり込む場合は、ムラにならないように全体に均一に

すり込む必要があります。

またすき間にも丁寧にすり込みます。

すり込む塩の一般的な量は、食材の重さによって異なり、

食材の重さの約10%前後 と なっています。

ソミュール法

ソミュール法は、塩を溶かした食塩水に食材を浸けて水分を抜く方法です。

魚などの魚介類を使った燻製を作る場合によく使われる方法です。

ふり塩法と異なり、食塩水に食材全体を漬けますので隅々

まで行き渡り均一に水分を抜くことができるのが特徴です。


ソミュール法の場合の塩の量については、食材の重さに

対してではなく、水の量に対する塩の量によって決めます。

一般的に行われている塩分濃度は、12%~15%くらいとなっています。

つまり水100ccに対して、塩が12~15gとなります。

塩抜き

塩抜きの目的は、食材内部の塩分の濃度を均一に整えることにあります。

塩漬けの際に、外側から塩分が食材内部にしみ込んでいます

ので、食材の外側は塩分濃度が濃く、中心部は薄くなっています。


そこで、塩分濃度が濃くなっている外側の塩分を抜いてやる

ことによって 食材全体の塩分濃度を均一にします。

また同時に食材の味も均一になり、生臭さも取り除くことができます。


塩抜きの方法としては、ボウルなどの大きな容器に水を

入れて食材全体を漬けるだけでも良いですが、少しづつ水道の

水を流しながら行うのと効率が良くなります。

このとき水道の水は食材に直接当たらないように流します。

乾燥

塩抜きが終わった食材は、表面の水分をふき取り、

食材に残った水分を乾燥させることによってさらに抜いていきます。

乾燥の方法は、自然乾燥させる風乾とスモーカーのなかで

温めて乾燥させる温熱乾燥 があります。


自然の風にあてて行う風乾の場合は、直射日光の当たらない

屋外の日陰に吊るしたり 風乾ネットに入れて乾かします。

夜間であれば日に当たる心配がないので良いでしょう。


雨の日などは室内で扇風機の風をあてて行うのもひとつの方法です。

この場合は、風を強く当てないで、緩やかな風をあてる

ようにして、食材の中から 乾かすようにします。


スモーカーを使った温熱乾燥の場合は、常温よりも少し高い

くらいの温度で電熱器や炭を使って行います。

風乾と温熱乾燥を組み合わせても良いでしょう。


乾燥の出来上がりの目安の判断も難しいところですが、

ある程度表面が乾燥していれば 良いでしょう。

多少中の方はジューシーな部分が残っていた方が美味しい

燻製ができます。

燻煙

さていよいよスモーカーでの燻煙作業に入ります。

燻煙には燻煙するときの温度の違いによって、

熱燻法、温燻法、冷燻法の3通りの燻煙法があります。

どの燻煙法によって行うかは、食材やレシピによって変わってきます。


レシピによる燻煙法については、多くの書籍やネットなど

でも紹介されていますのでそれらを参考にしてください。

ここではそれぞれの燻煙法についてご紹介します。

熱燻法

熱燻法は、高温で短い時間燻煙を行う方法です。

温度は80℃~150℃くらいの範囲で行い、時間はそれぞれの

レシピに合わせます。

肉を焼いたり魚を焼いたりするときに、燻煙材を加えて行う感じです。


家庭にあるガスコンロで、中華鍋やフライパンを使って行うことが出来ます。

また野外でのバーベキューのときに熱源に燻煙材を加えて

焼くことによって香り豊かなお肉が味わえます。


スモーカー内を高温にする必要がありますので、

スモーカー自体は小型のものが良いでしょう。

燻煙時間は短いので、食材内部の水分は抜けませんので、

保存性はありません。

その場で食べきってしまうのが良いでしょう。

温燻法

温燻法は熱燻法と冷燻法の中間の温度でおこなう燻煙で、

25℃~80℃くらいの温度で行います。

燻煙時間はレシピによって変わりますが、1時間~数時間といった感じです。

燻煙の中で最もよく行われている燻煙法で、レシピも多く紹介されています。


これから燻製料理を始められる場合は、温燻法から始めるのがおすすめです。

スモーカーも道具のところでご紹介した、私が使っている

ような中型のスモーカーで出来ます。

冷燻法

冷燻法は25℃以下の温度で、数時間~数日以上の長い時間を

かけて行う燻煙法です。

25℃以下の温度で行いますので、製作可能な時期としては

秋から春にかけての時期となります。


燻煙時間は長期となりますので、乾燥も進み保存性の高い

燻製が出来ます。

スモーカーは、温度が上がりにくい大型のものを使用します。

また下処理からの一連の工程を厳密に行い、温度管理も

厳密に行う必要があり、本格的な燻製作りとなります。

温度管理

燻製作りでは、温度管理が重要になってきます。

燻煙するスモーカー内の温度だけではなく、全ての工程で

適切な温度管理が求められます。

燻煙中の温度管理は、温度計で行います。

電熱器を使用する場合は、サーモスタットも温度管理に役立ちます。


私は温度の切り替えやON、OFFの切り替えが容易な電熱器

をよく使っています。

炭も熱源としてよく利用されます。

温度の上げ下げは、炭を足したり取り除いたりすることによって行います。


スモーカーでいえば、大きいスモーカーは温度を上げるのに

少し時間がかかりますが

小さいと上げやすくなります。

また温度調節用の開閉可能な空気穴があると便利です。


温度管理は燻煙を行うときだけではなく、下処理を行う際にも必要になります。

特に新鮮な魚や肉を扱う場合は、容器なども含めて温度を

上げずに手際よく作業を行う必要があります。

まとめ

燻製作りには、燻煙するだけで十数分で出来るものから

数十日かけて行うものまでいろいろな燻製作りがあります。

燻煙するだけの簡単なものでも、いつもとは違った味を楽しむことが出来ます。

まずは簡単なものから始めてみてください。


また燻製作りは、出来上がるまでのプロセス、

完成した燻製品を楽しめますが出来上がった燻製品は、

ご家族とも楽しむことが出来ます。

 

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