コンパスの使い方と読み方、見方をご紹介。

コンパスは方向が分かるだけでなく、地形図や登山地図と合わせて使うことによって現在地や進むべき方向を確認することが出来ます。

登山道は、はっきりとした道が無いところもありますし、分かれ道などで迷ってしまうことがあります。

そんな時にコンパスと地図があると迷うことは無くなります。

またコンパスと地図を使って、新たな山登りの楽しみ方を発見できます。

登山などで必需品のコンパスについて、使い方と見方についてご紹介します。

ぜひコンパスの使い方、見方をマスターして登山を楽しみましょう。

                          りょう(DIYアドバイザー)

目次

コンパス(方位磁石)の使い方

コンパスの見方

コンパスというと下記のような丸い形をしたものを思い浮かべられると思いますが、地形図と一緒に使用するものは、ちょっと違った形のコンパスを使います。

コンパスの見方についてはご存知と思いますが、簡単にご説明しますと、中央に磁針と呼ばれるものがあり、赤く(青の場合もある)塗られている方が、常に北(正確には磁北)を指しています。

全ての方位の呼び方は以下のようになります。

シルバコンパスの使い方

登山などで人気のある多くの方が使用しているコンパスをご紹介します。

下の写真のコンパスは私が登山などで使っているもので、登山用の方位磁石として信頼性の高い製品で、多くの方も使用しておられます。

上記のコンパスは、スウェーデンのシルバ社の製品の中の一つのモデルのものですが、コンパスとしての原理は丸い形をしたコンパスと同じですが、方向を知るための便利な機能と信頼性を持っています。

各名称の役割は以下のようになっています。

回転盤

回転盤と回転盤矢印が一体となっており、回転盤を回すことによって回転盤矢印の向きを変えることが出来ます。

回転盤には0から360度までの目盛りがついており、方角の確認には使用しませんが2点間の角度を測ったり、任意の角度を地形図などに書く場合に使用します。

回転盤矢印

このコンパスの特徴ともいうべき、重要な部分になります。

この回転盤矢印を地形図に引かれた磁北線と平行になるように回転盤を回します。

左辺

地形図で、現在地と目標を結んだ線に、この左辺を正確に合わせます。

なお左辺には、2万5千分の1のスケールが刻まれており、右辺には、5万分の1のスケールが刻まれています。

大矢印

コンパスを持って目標物を確認するときは、この大矢印が体の面から垂直になるように体の前に構えます。

なお大矢印には、夜間使用のための蛍光塗料が塗られています。

磁針

通常の丸いコンパスと同じで、赤く塗られている方が常に磁北を指すようになっています。

進むべき方向を決める際に、回転盤矢印と赤く塗られた磁針が重なるように、体の向きを回転させます。

拡大鏡

地形図に書かれた標高の数字など、けっこう小さくて見ずらい場合がありますので、拡大鏡ではっきり確認できます。

準備作業

1、地形図の入手

コンパスによる方向確認には地形図を利用しますので、国土地理院から発行されている2万5千分の1地形図を入手します。

入手方法につきましてはいくつかありますが、入手方法については後ほどご紹介しますが、ネットから購入する方法と、無料で印刷する方法があります。

上記の地形図は購入したものですが、昨年の夏に行った白馬町の実際の2万5千分の1の地形図です。

1枚の地形図の大きさは、横58cm、縦46cmでけっこう大きな地図になります。

購入した地形図を小さく折りたたんで持って行かれても良いですが、必要な部分だけをコピーして持って行った方が、コンパクトにポケットに収納出来ます。


2、磁北線を引く

実際に山に持って行かれる地形図に磁北線を引きます。

北の方向には真北と磁北があり、それらには若干のズレがあることはご存知と思います。

地形図は上が真北で書かれていますが、コンパスの磁針は磁北を指します。

したがってコンパスを利用する場合は、地形図上に磁北の線を引く必要があります。

日本では、磁北は真北より若干西側を指していますが、真北と磁北の差の角度を偏角(へんかく)といいます。


偏角は国内においても地域によって異なっており、本州では平均して約7°となっています。

実際に磁北線を引かれる場合は、購入した地形図にその地域の偏角が記載されています。

地形図の一部をA4の紙にコピーした場合を例に、磁北線の引き方をご紹介します。

方法は何通りかありますが、分度器を使う方法とシルバコンパスを使う方法をご紹介します。

偏角が7°の場合を例に磁北線の引き方をご説明します。


分度器を使うのが原始的ですが最も簡単な方法です。

上記の写真の図は、A4のコピー用紙の左上に目標の山、右下に現在地があるとした場合で、紙の上が真北とします。

コピー用紙の右下の角に分度器の0°と90°の交点を合わせ、7°のところに印を付けます。

印とコピー用紙の右下の角を結んだ線が7°の磁北線となります。

コンパスを使う場合は、最初に回転盤の0°の位置を大矢印の位置に合わせます。

それから回転盤を右に7°回します。

回転盤矢印の線とコピー用紙の右の縦線と平行になるように置けば、方位磁石の左辺が左に7°傾いたことになります。

方位磁石の左辺に沿って線を引けば、7°の磁北線となります。

どちらの場合も最初の1本が引けたら、その後の平行線は定規の幅を利用して平行線を引きます。

定規の右側を最初の1本の線に合わせ、定規の左側で線を引けば、定規の幅の平行線が引けます。

上記で使った定規の幅は、3.5cm ですが、5cm くらいの幅でも良いでしょう。

また紙面全部に引く必要はなく、歩く登山道の周辺に引かれてあれば十分です。


方向確認作業

1、目標物と現在地を線で結ぶ

地形図上で目標物と現在地(P)を線で引きます。

2、コンパスの左辺を目標物と現在地を結んだ線に合わせる

3、回転盤矢印と磁北線が平行になるよう回転盤を回す

方位磁石の左辺を目標物と現在地を結んだ線に合わせた状態を動かさないように、回転盤を回して、回転盤矢印と磁北線が平行になるところで止めます。

回転盤を回すときは、回転盤矢印が磁北を向くように回してください。

上の写真では上になります、反対側に向くようには回してはいけません。

回転盤矢印の両側にも数本の回転盤矢印と平行な線が書かれてありますので、この線と磁北線を見ながら、出来るだけ正確に平行になるように合わせてください。

なおここまでの作業では、磁針はどちらを向いていても構いません。

気にする必要はありません。

4、コンパスを地形図から離し体の前に置き、回転盤矢印と磁針が重なるように体を回転させる

コンパスは体の正面に置き、体の面に対して大矢印が垂直に向くように構えます。

この状態をキープしながら、足を使って体を回転させます。

この時、体をねじったり、コンパスを動かしてはいけません。

下にある回転盤矢印と磁針の赤い部分がピッタリ重なるところで止まります。

5、顔を上げて目標物を確認する

そして顔を上げると、大矢印が目標物を指しており、目標の山が正面に見えます。


以上が、シルバコンパスと地形図を用いて目標物の方向を確認する方法です。

いかがでしたでしょうか。

とっても簡単ですよね。


頭の中がスッキリしないという方のためにおさらいです。

地形図上で行った作業を、もう一度実際の風景の中で同じことをしているんですね。

なので、最後に顔を上げたとき、正面に目標物が見えるのです。

上記の図は、地形図上で目標の山と現在地(P)を結んだ線に合わせてコンパスを置き、回転盤を回して回転盤矢印と磁北線を平行にしたときの図です。

実際の風景の中でも同じ状態が再現できれば、正面に目標の山が見えるはずです。

上記のA4のコピー用紙は、上を真北にして書かれていますが、A4のコピー用紙が置かれている方向は真北ではありません。

上記の図でもお分かりのように磁針は右下を指しています。


およそですが南西の方向に向けて置かれていることになります。

したがって、上記の図と同じ状況を作り出すためには、現在の磁針が指している方向から回転盤矢印が指している方向まで回転すれば良いわけです。

そのためには、コンパスを持っているあなた自身が回転すれば良いのです。

そうすると、下記の図のようになります。

絵がへたくそですが、実際の風景の中であなたがコンパスを持っているとしてください。

コンパスは分かりやすいように大きく書いています。

つまり、地形図上に引いた磁北線と回転盤矢印と磁針を一致させることによって地形図上の作業を実際に行って、あなたの正面に目標の山を見ることが出来るのです。


方向確認の作業をまとめると、次の5つになります。

1、地形図で目標物と現在地を線で結ぶ。

2、上記の結んだ線にコンパスの左辺を合わせる。

3、回転盤矢印と磁北線が平行になるように回転盤を回す。

4、コンパスを体の正面に垂直になるよう構え、回転盤矢印と磁針が重なるように
  体を回転させる。

5、顔を上げて目標物を確認する。


実際の現地では、必ずしも目標物が見えるとは限りません。

いろいろな障害物で見えないことが多いですが、目標物の方向は確定できます。

(1、)については、慣れれば線は引かなくても出来るようになります。

上記の5つの作業の行程で注意すべきは、(4、)の時で、コンパスを体の面に垂直になるよう構えて、体全体を回転させることです。

体をねじったり、コンパスを動かしたりすると正確に正面に目標物を捕えられません。


そしてもう一つ重要なポイントがあるのですが、それは現在地を正確に、地形図上で特定するということです。

実はこの現在地を特定するということが、案外難しいことが多いのです。

地形図上のどこに、現在自分がいるのかを特定するのには、地形図を読む力が必要になってきます。


地形図の読み方につきましては、こちらをご覧ください。

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登山用コンパス

登山用の方位磁石として使用されるコンパスには、ベースプレートコンパスと呼ばれるものとレンザティックコンパスと呼ばれるものが、主に使われています。

ベースプレートコンパス

ベースプレートコンパスは、透明なプラスチックのベースの上にコンパスや目盛りなどが付いています。

コンパスには、0から360°までの目盛りと矢印が書かれており、自由に回転出来るようになっています。

ベースプレートコンパスの最大の特徴は、透明なプラスチックのベースの上に記された矢印で、方向を知る上で大きな役割を持っています。

上記のベースプレートコンパスは、コンパスの使い方でもご紹介したスウェーデンのシルバ社の製品ですが、高い信頼性と人気を誇っています。

この他には、フィンランドのスント社が、シルバ社と並んでコンパスの2大メーカーとして知られています。

レンザティックコンパス

レンザティックコンパスは、元々は軍事用で使われていたものを一般用に改良されたコンパスです。

細かい目盛を正確に読み取るためのレンズと、目標物の方角を正確に捉えるための細長いのぞき窓がフタの部分に設けられているのが特徴です。

金属製となっており頑丈で耐久性に優れていますが、その分重量があります。

目標物の方位、方角、現在地を正確に知ることが出来ます。

オイル式とドライ式

コンパスの磁針が入っているところをハウジングと言いますが、ハウジングの中にオイルが入っているオイル式と入っていないドライ式があります。

現在使われている登山用コンパスは、ほとんどがオイル式となっています。

オイル式は、オイルによってふらつきが少なく磁針が安定しているため見やすく素早く方位を確認できます。

ドライ式は、安定性に欠けるため見づらく、構造も簡単で耐久性に欠けます。

コンパスのメンテナンスと保管

登山から帰ってきたらコンパスもメンテナンスをして保管しておきましょう。

私が使っているコンパスは、シルバのベースプレートコンパスですが、メンテナンスといっても特別なことは行っていません。

汚れや水滴等をきれいにふき取って、回転部分に少量の潤滑剤を塗布する程度です。

保管についても一般によく言われているように、磁気を持っている電気製品の近くには置かないようにしています。

私の周りにある電気製品は、デジカメ、スマホ、GPS、腕時計などですが、木製のラックに水平にして置いています。

私はまだ経験したことはありませんが、強い磁気を持っている電気製品に接触させると、磁針の向きが逆転する現象が起きるそうです。

コンパスの基礎知識

磁針

磁針は方位磁針とも言いますが、磁石の原理を使って方角を知ることが出来る道具です。

磁針は、N極とS極からなり、N極は通常のコンパスでは赤く(青の場合もある)塗られていますが、中央を支点として自由に水平に回転するようになっています。

地球上に存在する磁場の影響でN極は、常に北(正確には磁北)を指しています。

このことを利用して、私たちは方位(方角)を知ることが出来ます。

磁北

磁北とは、磁針のN極が指す北の方向となります。

日本では、磁北は真北と比べて少し西側を指しています。

日本から見ると磁北点は、北極の少し右側に存在しますので、磁北は東側を指しそうなのですが、実際は少し西側を指しています。

これは、地球上に存在する北から南に向かう磁力線は、真っすぐに北から南に一直線に向かっているのではなく、場所によって東に向いたり西に向いたり、いろいろな方向に曲がっているのです。

日本では、この磁力線が西に傾いて向かっているので西側を指すようになります。

偏角

地図上の真北と磁北との差の角度を偏角と呼んでいます。

日本では西に傾いていますので、「西偏〇度」と表記しています。

日本においても地域によって偏角は異なっており、南の地域では小さく、北に行くほど大きくなっています。

国土地理院の資料によりますと、2010年の偏角は、沖縄の那覇で4.7°、九州で約6°~7°、山口県から四国、山形県あたりまでが6.5°~7.7°くらい、秋田から青森あたりまでが7°~8.3°、北海道で8.8°~9.5°となっています。


また偏角は一定ではなく、時代の変化によって変わっているようで、1970年から2010年の40年間に全国平均で0.7°西に移動しているとのことです。

ちなみに、伊能忠敬が地図を作製した200年前は、真北と磁北はほぼ一致していたそうで偏角は0°だったそうです。


地形図の入手方法

コンパスを使う上で必要になるのが地形図ですが、登山などで使用する地形図は、国土地理院が発行しています。

地形図の入手方法は以下の4つの方法があります。

1、書店で購入

2、日本地図センターより購入

3、国土地理院のHPよりダウンロード購入

4、国土地理院のHPより印刷する(無料)

詳細な入手方法につきましては、下記ページに詳しくご紹介していますのでご覧ください。

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登山などで利用できる地図には、上記の国土地理院が発行している地形図の他に昭文社が発行している「山と高原地図」、山と渓谷社が発行している「新・分県登山ガイド」があります。

それぞれに特徴がありますので、お住まいの地域に合わせてお使いになられると良いかと思います。

上記の登山地図につきましても上記のページで詳しくご紹介していますのでご覧になってください。

まとめ

コンパスの使い方はとても簡単で、使い慣れてしまえばほんの十数秒で出来ます。

道に迷うこともなくなり、あなたの行動範囲が格段に広くなるでしょう。

また、地図と合わせて使うことによって、山座同定なども出来るようになります。

山登りやハイキングに行かれるときは、ぜひコンパスと地図を持って行ってください。

あなたの山登りがもっと楽しくなってきます。

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この記事を書いた人

DIYアドバイザー、フォトマスター2級、コーヒーコーディネーター
(趣味)
DIY、釣り、写真、スケッチ、旅行、山登り、キャンプ

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